3連戦最後のレースとなるF1イギリスGP。レース直前にはエリック・ブーリエの辞任ニュースが飛び込んできましたが、今後のマクラーレンの動向が気になりますね。それはそれとして、今回のレースでは久しぶりとなるフォース・インディア代表ビジェイ・マリヤの姿も。今回も現地の情報をムッシュ柴田氏がお届けします。
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イギリスGP開催直前の水曜日、マクラーレンから「レーシングディレクターのエリック・ブーリエの辞任を了承した」という発表がありました。自分から進んで辞任を申し入れたことになってますが、実際は解任なのは間違いないところでしょう。
ほんの数日前のオーストリアGP決勝日のグリッドでは、スタート直前というのにさかんにスマホをいじってました。この時点ですでに更迭は決まっていたと、考えるのが妥当と思われます。
下位カテゴリーGP2のエンジニア時代は、格安航空でのパリからの往復で、しょっちゅう一緒になったりして、いろんな話をしたものです。それからF1に行って、とんとん拍子にマクラーレンの実質的なチーム代表にまで上り詰めたわけですが、ここ数年の不振の責任をついに取らされてしまいました。
イギリスGPの木曜日には、ブーリエのクビを斬った張本人であるマクラーレンのザク・ブラウンCEOの特別会見が行われましたが、
発表以外の目新しい発言もなく、今後どうやってチームを再建して行くかという具体案も提示されず、正直前途多難という印象です。
そのすぐあとには、フェルナンド・アロンソの囲み取材。こちらにはブラウン以上の人が集まりました。何しろブーリエの実質的な後任がインディ元チャンピオンのジル・ド・フェランだし、レース現場の責任者アンドレア・ステラはアロンソといっしょにフェラーリから来たエンジニア。
当然、今回のブーリエ解任もアロンソの関与が疑われたわけですが、本人はもちろん否定でした。
それにしてもアロンソの発言にはみんなしっかり彼を凝視して、耳をそばだてるんですが、
そのあとのストフェル・バンドーンだと、こうなってしまう・・・。彼にどうしても訊いてみたい話題がないということもありますが、う~んやっぱり役者の違いかなあ。
翌金曜日は、まだ朝7時過ぎというのにマクラーレンのメカニックたちが、ピットストップ練習に明け暮れてました。
チョコバー事件とかいろいろありますが、マクラーレン復活を一番望んでいるのは彼らですからね。
一方、失墜しそうでなかなか落ちない、しぶとい代表がこの人です。
フォース・インディアのビジェイ・マリヤ。1年に1回、イギリスGPの時だけサーキットにやって来るのは、皆さんご存知の通りイギリス国外に出ると、脱税や詐欺容疑でインド当局に拘束されてしまうから(確か安全なはずのイギリス国内でも一度逮捕されたはずですが、無事に釈放されました)。
以前より顔がスッキリして、色つやが良くなったような気もします。「非常に限られた予算にもかかわらず、チームのみんなは本当によくやってくれてる」って、オイオイあなたのせいで金欠に苦しんでるわけでしょう?「身元のしっかりした人間が潤沢なキャッシュをテーブルの上に載せてくれれば、すぐにでもチームを売却するよ」と、言いたい放題でした。
それにしても10カラットはあろうかというダイアのピアスと、じゃらじゃらと巻いた金のブレスレット、それからこの写真では隠れてますが、指には大きな宝石の指輪をあいかわらず4つも5つもしてる。このまま身ひとつで国外逃亡しても、これらを売れば当分食って行ける感じでした。すっかり小粒になってしまったF1村の中では、もはや貴重な怪人物ですね(笑)。