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渋谷すばるが卒業しても7人の関ジャニ∞は生き続ける 『Mステ』『関ジャム』…ラスト出演に寄せて

2018年07月06日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 関ジャニ∞の渋谷すばるが、メンバーと共に各番組に出演するのも、残りわずかとなってきた。関ジャニ∞としての活動は、7月15日のツアー開幕前までとなっている渋谷。今夜の『ミュージックステーション 2時間SP』(テレビ朝日)、7日の『THE MUSIC DAY 伝えたい歌』(日本テレビ系)、『関ジャニ∞クロニクル』(フジテレビ系)、8日の『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)が、各番組の7人ラスト出演となる。


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 一足先に最終出演を迎えた7月2日放送の『ペコジャニ∞!』(TBS系)では、XJAPANのToshlが同じボーカリストとして本音で語り合った。人見知りな渋谷の緊張を解きほぐすように、ToshlがXJAPANメンバーとのやんちゃな思い出を披露する。売れる前、お金がなくて車の中で寝泊まりをしたこと。有り余る体力からお酒を飲んで殴り合うことで、絆を深めたという豪快なエピソードも飛び出す。厳しい下積み時代を過ごしたのは、関ジャニ∞も同じだ。地元が隣駅で一緒に家出を企てた村上信五、プライベートでふたり旅に出た横山裕など、かけがえのない思い出が語られた。そして、大きな岐路に立つ渋谷へ、Toshlから長渕剛の「乾杯」のプレゼントも。一点を集中して見つめながら歌を聞いた渋谷。「何かを思ったら、どうにかなってしまいそうだった」と、しんみりとした雰囲気を嫌う渋谷らしさがにじみ出るコメントも印象的だった。


 6月30日に最終回を迎えたラジオ『渋谷すばるのスバラジ』(NACK5)では、15歳で仕事をスタートさせ、“東の滝沢秀明、西の渋谷すばる”とジャニーズJr.黄金世代を支えた渋谷が迎えたどん底の貧乏生活にも触れた。19歳にして家賃が払えないほどにどん底を味わい「ちょんちょんに尖ってた」という当時の渋谷。そして、20歳ぐらいでメンバーと大阪で集まったときに「一気に安心した。一人じゃないんやって。みんな金ないわ、って(笑)」と笑いを誘った。その裏にどんな苦悩があったのかは語らない。「楽しかったよな、あれはあれで」と明るく振り返る渋谷の言動は、いつも男気にあふれている。


 7月4日に放送した『関ジャニ∞のジャニ勉』(関西テレビ)でも、渋谷の挨拶は短めだった。そんな渋谷らしい振る舞いにこそ、改めて彼が卒業してしまう寂しさを感じる。思い返せば、音楽的にもバラエティ的にも、渋谷は関ジャニ∞の支柱だった。


 いいものはいいと言うブレない強さ、予定調和を破壊していく勇気……その点では、渋谷はとっくにアイドルの枠を超えていたようにも見える。以前、『関ジャニ∞クロニクル』では、ごく自然におならをするシーンも。ゲストのさまぁ~ずが「いいの?」と驚くと、メンバーも「彼だけです」と笑っていた。関ジャニ∞というアイドルであることを誰よりも誇りに思いながら、どこかで従来のアイドル像への反骨精神が、彼の独特な魅力を創り上げていったように思う。


 音楽への情熱もまた然り。特にバンドスタイルで歌う曲は、渋谷の真骨頂だ。目を見開き、身をよじり、振り絞るように歌を伝える姿は、まさにロック。彼がどれほど情熱を傾けているかは一目瞭然だ。だからこそ、みんな寂しいけれど彼の新たな夢を応援しようと決めたのだ。『スバラジ』の公式HPに“「とりあえず」スバラジは最後です”という言葉があったように、彼と番組を作ってきた誰もが“またいつか一緒に仕事がしたい”と愛情たっぷりに旅立ちを見守っているのが伝わってくる。


 〈かたい絆に 思いをよせて 語り尽くせぬ 青春の日々〉あらためてToshlが歌った「乾杯」に耳を傾けると、渋谷にとって関ジャニ∞は長い長い青春だったのかもしれない。その楽しい日々から抜け出してでも手に入れたい何かが見つかってしまったのだ。それは、関ジャニ∞として磨いてきた音楽の先にあったもの。卒業しても、彼らの中で、そしてファンの中では7人の関ジャニ∞が生き続けるに違いない。人生でいちばん楽しい時期を尋ねられたとき、渋谷は「いつも今」と答えた。今夜のライブが、最高に楽しい瞬間になることを願って見届けたい。披露されるのは、〈キミと逢えた“このキセキ”に “この時”にありがとう〉とコミカルに歌う「がむしゃら行進曲」と、バンドスタイルで〈君、行けばこそ道は開く!〉と猛々しく歌う「NOROSHI」。渋谷と関ジャニ∞メンバーが、共にエールを贈り合うそんなステージになることだろう。(文=佐藤結衣)