ホンダエンジン搭載のSF19 7月5日、富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ選手権で2019年から使用される新シャシー、SF19のシェイクダウン2日目の走行が行われた。午前から雨模様に見舞われた2日目だったが、午後の走行の1時間過ぎからはスリックタイヤでの走行も実現した。
現行のスーパーフォーミュラSF14の後継機として、『クイック&ライト』のコンセプトを引き継ぎ2019年から導入が予定されているSF19。製作を担当したダラーラの地元イタリアでのチェック走行、そして7月4日の走行初日に続き、この日もDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの野尻智紀がステアリングを握り、ホンダHR-417Eエンジンを搭載した11号車が周回を重ねた。
この日は台風8号の影響で前日に続き朝から雨模様。時折小降りになるときもあったが、午前9時からの走行は基本的にウエットで行われた。午前は一定速でのエアロのチェック、そこからタイヤテストが行われていったが、少しずつ路面が乾き、あと少しでスリックタイヤも履けるか……というところで雨が本降りとなってしまった。
正午からは全日本F3選手権の専有走行1回目が行われていったが、そのときも変わらず雨が強くなったり弱くなったりを繰り返すことに。ただ、その後雨は小康状態となっていき、14時30分からスタートした午後の走行では、少しずつ路面が乾いていくことになった。
この走行ではセットアップの変更を行い、タイヤテストを継続。1時間ほど経ったところで、強風もあって路面が乾いたこともあり、いよいよスリックタイヤを1セット使用。車高の調整などを行いつつ、最後は長めの走行でフィニッシュした。なお、終了間際に1分26秒173というベストタイムがマークされている(2017年の予選トップタイムは1分23秒044)。
ドライブした野尻によれば、「濡れている部分もありましたし、今はまだそれほど頑張るときではないので、プッシュしていないのも事実です。今のコンディションでも頑張っていけばあと1秒くらいは詰められるとは思いますが」と語る。
「ハイダウンフォース仕様ですが、直線では300km/h出ていましたね。ただ新しいクルマですし、ダウンフォースについては今までとまったく一緒ではないです。今回は最初のテストですし、雨のなかでしたが、このクルマの性格を知ってあげることについては進んだと思っています。これからいろんなドライバーが乗って、理解度が進んでいくのではないでしょうか」
この日もダウンフォースの強さについては「感じています」と野尻。ただ、シェイクダウンということもありそこまで無理はせずに周回をこなすことに終始した。大きなトラブルもなかったようで、まずは2日間の走行は成功裏に終わったと言えるだろう。
「これからSF19のことはいったん置いておいて、明日からSF14に切り替えられるようにしたいです」と野尻。
スーパーフォーミュラSF19は、第4戦富士の決勝日にあたる7月8日にデモランが行われるほか、2日間に渡って3番ピット内で展示される予定だ。