カルソニック IMPUL GT-R 2018 AUTOBACS SUPER GT Round4
Chang SUPER GT RACE
2018.6.30 Sat~7.1 Sun
接触による手負いのマシンで6位入賞
No.12 カルソニック IMPUL GT-R
佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー
シリーズ唯一の海外戦が、5度目の開催を迎えたタイのチャン・インターナショナル・サーキットにて開催されました。タイでのレースは例年秋口に行われていましたが、今季は6月~7月にスケジュールが移動となりました。
前戦鈴鹿以来およそ1カ月以上のインターバルを経て久々のレース、現地タイと日本から駆け付けて下さったファンとで大観衆が詰めかけたサーキットは非常に大きな盛り上がりを見せました。
6/30(土)公式予選
天候:晴れ
コース:ドライ
気温/路面温度:Q1開始29度/35度、
気温/路面温度:Q2終了26度/33度
観客動員数:9417人
予選日は晴天に恵まれ酷暑となりました。ピットウォーク中に、星野一義の71歳の誕生日(1947年7月1日生まれ)と、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生選手(1979年6月18日生まれ)と今回のレースでスーパーGT参戦100戦目を迎えた、No.11 GAINER TANAX GT-Rの安田裕信選手の3名のお祝いが行われるなど和やかなムード。ところがチャン・インターナショナル・サーキットはタイ特有の天候に翻弄されて、予選開始前に激しいスコールに見舞われました。
短い間ではあったものの、降雨量が多かったため予選開始がディレイとなり15分遅れでスケジュールが進行となりました。GT500クラスの予選Q1は現地時間15時35分に始まりました。
カルソニック IMPUL GT-RのQ1アタックドライバーは佐々木大樹。雨は上がり、GT300クラスQ1を経てレコードラインは乾いてきてものの、まだコースの所々に水たまりが残っていたため、まずはウエットタイヤを装着してのコースインとなりました。
15度間のQ1、セッション開始とともにGT500クラス全車が一斉にコースイン。少々の水しぶきを巻き上げながらのインラップをこなしていきます。チームによって、様々なタイヤ戦略が交錯する難しい予選Q1となりました。カルソニック IMPUL GT-Rは一旦ピットインし、ドライタイヤに交換し再度コースイン。アタックへと向かっていきます。
残り時間3分を切るところで、佐々木は1分30秒470のタイムをマークしトップへ浮上。その後続々と他車がタイム更新をしていくなか、続けてタイムアタックを敢行します。
翌周には1分28秒283をマークしてふたたびタイミングモニターのトップへと躍り出ます。この時点で残り時間は約30秒。佐々木は最後までアタックを続けてさらにタイムを短縮することに成功。1分27秒015でQ1を堂々トップタイムで通過しました。
マシンがピットへと戻ると、佐々木は破顔一笑の監督、星野一義と固い握手を交わし、Q2担当のヤン・マーデンボローとエンジニアの小河原宏一にマシンの状況を伝え、Q2への準備に入りました。
上空の雲行きが怪しいなかでしたが、GT500クラスQ2は現地時間16時18分に開始されました。Q2のセッション時間は10分間。開始と同時にマーデンボローはピットアウトしていきます。
残り時間5分を切ろうかというところで、なんと最終コーナー方面で雨粒が落ちてくるのが確認され、一刻でも早くタイムを残しに行きたいところ。まずは1分24秒829のタイムをマークします。
結局その後雨脚が強まることはありませんでしたが、続けてアタックを行います。コースを外れかける元気の良いアタックラップを終えると1分24秒146でコースレコードを上回るタイムを記録します。この後もアタックを続けるもタイムを上げることは叶わず、上位に食い込むことができませんでした。最終的に予選7位という結果となりました。
7/1(日)決勝レース
天候:晴れ
コース:ドライ
気温/路面温度/湿度:32度/47度/58%
決勝レース距離:4.554Km×66Laps=300.564Km
観客動員数:2万219人
迎えた決勝日、雨の心配はなく刻一刻とレーススタートのときが迫ります。イベント広場では『Chang Japanese Street Festival』と銘打たれたイベントが開催されたり、グランドスタンドでは現地タイの方の大応援団がタンバリンや太鼓等を使い大声援を送り、非常に大きな盛り上がりを見せました。
また、TEAM IMPULのピットには、カルソニックカンセイ・タイランド社の従業員応援団に駆け付けていただきました。
迎えた決勝レース、スタートドライバーはヤン・マーデンボロー。7番グリッドより現地時間15時にフォーメーションラップ1周を経てレーススタートを切りました。マーデンボローはオープニングラップから果敢に攻めて、No.19 WedsSport ADVAN LC500(山下健太選手)にチャレンジ。6位へ浮上することに成功します。
続いて5位を走行するNo.100 RAYBRIG NSX-GT(ジェンソン・バトン選手)を僅差で追いかけますが、4周目にNo.19 LC500に抜き返されてしまい7位へと戻ってしまいます。
GT300クラスが絡み始めた6周目の1コーナーで、5位へ浮上したNo.19 LC500に続いてNo.100 NSXをオーバーテイク。6位となります。11周目、3位争いをしていたマシン2台がコース上で交錯し軽く接触したことで、一気に順位浮上のチャンスを得て、次の12周目で5位のNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)に仕掛けるも、バランスを崩しオーバーラン。逆に後方から迫っていたNo.6 WAKO’S 4CR LC500(フェリックス・ローゼンクヴィスト選手)にかわされてしまい、7位へ順位を下げてしまいます。
しかし大差なくコースへと戻れたマーデンボローは、引き続きNo.24 GT-Rを狙っていきますが、後方のマシンもさらに接近しており、5台による5位争いとして数珠つなぎでの走行となります。
18周目、勢いを無くしたNo.17 KEIHIN NSX-GT(小暮卓史選手)をかわして6位へ浮上と、前半、目まぐるしく順位を入れ替えながら走行します。23周目、ついに序盤から狙いを定めていたNo.24 GT-Rと最終コーナーの立ち上がりからサイドバイサイド。幅寄せされて、接触しつつもマーデンボローは一歩も引かずに5位をゲット。
No.24 GT-Rはこのバトルの最後にスピンアウト、コースアウトしストップしてしまいました。マーデンボローも、この直後バランスを崩しGT300クラスのマシンと接触してしまい、No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴選手)、No.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路選手)に一気に先行を許し結局7位に甘んじてしまうことに。
その後、No.1 KeePer TOM’S LC500(ニック・キャシディ選手)にもかわされ、順位を落としてしまいます。この前後のタイミングでピット作業を行うマシンが出始めます。カルソニック IMPUL GT-Rは、接触の影響もあり次々と順位を落とすも、コース上でステイしマーデンボローは我慢の走行を続けます。
33周目にピットインし、佐々木大樹にドライバー交代。No.24 GT-Rとの接触の影響で左リヤに損傷があり、テールランプが破損するなど不具合があり痛々しい姿ではあったものの、タイヤ交換と給油を行いコースへと戻ります。
同時にピットへと入ったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(千代勝正選手)がタイヤ無交換でピットアウトしたため、先行を許してしまいました。全車ピット作業を終えて9位。
後半、再度佐々木大樹が順位浮上に挑みます。8位に浮上して47周目、ピットのタイミングで先行を許していたNo.3 GT-Rを、3コーナーでアウトからクロスラインを利用し大胆にオーバーテイクして7位に浮上します。
後半戦に入り、6位のマシンとは差がありましたが、徐々にギャップを縮めていきます。しかし、オーバーテイクには持ち込めず。最終的にはファイナルラップで脱落したマシンがあり、6位へ。最後までプッシュしていき、5位のマシンとのギャップは1秒を切っていましたがこれ以上の順位浮上はできずに、そのまま6位でフィニッシュとなりました。
序盤から目まぐるしく順位が入れ替わるレースとなりました。ふたりのドライバーともにバトルを披露し見せ場も作り、表彰台も狙えたレースだっただけに残念ですが、6位で手堅くポイントを加算して次戦富士500マイルに臨みます。引き続きカルソニック IMPUL GT-Rへのご声援よろしくお願いします。
TEAM IMPUL NEXT Race Information
●全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦 7/7(土)~8(日) 富士スピードウェイ
●スーパーGT第5戦 8/4(土)~8/5(日) 富士スピードウェイ
ドライバーコメント
佐々木大樹
「接触により手負いのマシンではありましたが、追い上げて5位に僅かに及ばずの6位でした。次の富士は距離も長く、得意としているサーキットです。期待してください」
ヤン・マーデンボロー
「第4戦タイは6位で終わりました。接触でマシンを壊してしまったことが残念でした。富士に向けて切り替えて頑張ります」