F1シーズンを転戦していると、いろいろな人との出会いがある。そんな人たちに、「あなたは何しに?」と尋ねる連載企画。今回はかつでザウバーで働いていたジャンパオロ・ダラーラだ。
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F1オーストリアGPが開催されたレッドブルリンクのパドックに懐かしい顔があった。ザウバー時代にキミ・ライコネン、フェリペ・マッサ、ハインツ-ハラルド・フレンツェン、ジャンカルロ・フィジケラ、ジャック・ビルヌーブ、ロバート・クビカ、そして小林可夢偉らと仕事をした経験があるジャンパオロ・ダラーラだ。
ヘッド・オブ・トラック・エンジニアリングとして活躍していたダラーラがザウバーを離脱したのは2015年シーズン終了後。一体何があったのか?
「チームが厳しい状況にあったし、今後どの道を歩むべきかをいろいろと考えた」
あのままザウバーに残っても自分がやりたい仕事はできないと判断したダラーラは、BMWとコンタクト。ドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦しているBMWチームMTEKに加入した。
「純粋にレースがしたかった。BMWは2006年から4年間、F1で一緒に仕事した仲間がたくさんいたから、話はスムーズだった」
16年のDTMでの仕事を評価されたダラーラは、17年からBMWのGTカーレース部門に配属され、世界耐久選手権(WEC)にチャレンジ。今年のル・マン 24時間レースではGTプロ・クラスで9時間リーダーに立っていた。
今回オーストリアGPに来たのは、F1復帰を考えているからではなく、「ル・マンを終えたばかりで、次のレースまで時間があるから、久しぶりに旧友たちに会いに来た」のだという。
ちなみに、ここで紹介したダラーラは、イタリアのレーシングカーコンストラクター『ダラーラ』社のオーナーであるジャンパオロ・ダラーラとは、全くの別人。ダラーラ社のオーナーは1936年生まれのイタリア人で、ここで紹介したダラーラは1968年生まれのスイス人。
「よく聞かれるから、両親にも尋ねたことがあるんだけど、残念ながら関係ないんだ。ただ私の実家はダラーラ社と同じエミリア - ロマーニャ州にあって、私も生まれはイタリア。先祖がどこかで一緒だったかもしれない(笑)」
ちなみにスイス人のダラーラはいまでもチューリッヒに住んでいて、仕事場があるBMWの本拠地ミュンヘンまで、毎日BMWの4シリーズを飛ばして通っているのだとか。