ドキュメンタリー映画『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』が9月上旬に東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で公開される。
今年で生誕120周年、没後39年となるペギー・グッゲンハイム。生前に収録されたペギーのインタビューにもとづいて制作され同作は、ニューヨークの富裕な家に生まれ、20代で第一次世界大戦終戦後のパリに単身渡った彼女が、シュルレアリスムや抽象絵画などの表現と出会って芸術家たちを支援しつつ、20世紀を代表する現代美術コレクター、そして伝説的なパトロネスになっていく経緯を追った作品だ。原題は『PEGGY GUGGENHEIM ART ADDICT』。
なおペギーがヴェネチアに構えた展示室を備えた邸宅は、現在は「ペギー・グッゲンハイム・コレクション」という美術館になっている。サルバドール・ダリやパブロ・ピカソらの作品を所蔵し、まだ無名だったジャクソン・ポロックを見出した彼女は、マックス・エルンストと結婚したほか、芸術家たちとの自由奔放な関係でも知られていた。「収集作品よりも恋人のほうが多かった」「女性の自由と権利の“荒れた”見本」などと言われながらも、華やかな人生を送った。
作中に登場する作家は、ダリ、ピカソ、エルンストらに加えて、マルセル・デュシャン、サミュエル・ベケット、ジャン・コクトー、アルベルト・ジャコメッティ、ジョアン・ミロ、ピエト・モンドリアンら。