文科省科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者が7月4日、私立大学研究ブランディング事業で東京医科大を選定する見返りに、自身の子どもを同大学に入学させた疑いで逮捕された。
東京医科大は同日、公式サイトに「多大なご迷惑、ご心配をおかけしていることに深くお詫びを申し上げます」「大学として捜査に全面的に協力しているところ」という声明を発表しているが、これとは別に同日、「本学学生の個人情報保護についてのお願い」も掲載。
「本学の特定の学生について、SNS等で個人情報が拡散されています。何卒、ご配慮いただきますようよろしくお願い申し上げます」
と、呼びかけている。
同じ名字の学生「息子と勘違いされ、ツイッターや顔写真が拡散され迷惑かかっている」
事件の報道直後から、ネットの匿名掲示板では、子どもの学校歴や名前を特定しようとする動きが強まり、
「息子の◯◯は◯◯や◯◯といったサークルに所属している(注:伏せ字は編集部)」
「◯◯大に3浪で落ちて東京医科大」
「◯◯高校出身」
などの噂が流れていた。ツイッターでは、同氏の子どもと勘違いされた東京医科大の無関係の在学生が、
「逮捕された文科省『佐野太』さんが僕の名前と似ているため、息子だと勘違いされ、ツイッターや顔写真などが拡散されてしまって、多大な迷惑がかかっています」
と投稿。現在、大学や弁護士、警察に相談しているという。
同学生を佐野容疑者の息子だとみなし、学歴や年齢を書いていた個人ブログは後に記事を削除。「嘘の情報で記事を書いてしまいました。当事者には多大な迷惑をおかけし、誠に申し訳ないです」と謝罪しているが、誤情報を書いたツイッターアカウントを引用し、
「このTwitterがうそでした。本当に悲しい。こんなことをすれば、傷つく人がいることが想像できないのか?何が目的でこんなことをするのか……」
とも投稿していた。
ネットでは以前から、事件の容疑者や被害者の個人情報を特定・拡散しようとする風潮があり、問題視されている。
今年5月、TOKIOの山口達也元メンバーが強制わいせつの疑いで書類送検された際には、被害者女性だと噂された女性のツイッターに暴言コメントが相次ぎ、本人が「事件の被害者ではない」と否定する事態になった。