トップへ

「マクラーレンのパフォーマンス不足は深刻」組織再編に踏み切ったCEOブラウンが認める

2018年07月05日 10:42  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

マクラーレンMCL33
マクラーレン・レーシングのCEOザック・ブラウンが、チームは今大きな問題を抱えており、状況を好転させるためには組織の立て直しが必要であると語った。

 4日、マクラーレンはレーシングディレクターであるエリック・ブーリエの辞職を発表するとともに、いくつかの組織変更について明らかにした。マクラーレン・レーシングのCOO、サイモン・ロバーツが製造、エンジニアリング、ロジスティクスの監督を行い、アンドレア・ステラがパフォーマンスディレクターとして、トラックサイドオペレーションの責任を担うことが決まった。また、元CARTシリーズのチャンピオンであるジル・ド・フェランが新設されたスポーティングディレクターのポジションに就くことも発表されている。

 水曜に記者会見を行ったブラウンは、ブーリエの辞職について次のように語った。

「エリックの辞職に驚きはなかった。私はこれまでチームと長い時間を過ごし、エリックとも多くの時間を過ごした。彼のことは昔から知っているのだ」とブラウン。

「あまりにも長く不調が続き、我々には大きなプレッシャーがかかっていた。どうすればマクラーレンを改善することができるか、どうすることが最善の道なのかを、エリックとは何度も話し合った」

「我々と同様に、彼はマクラーレンにとって最善のことをしたいと考えている。最終的に彼がこういう決断を下したことに、驚きはなかった。我々が今抱えている課題とそれについての対策に関し、今まで話し合ってきたからだ」

 ブラウンは、Sky Sportsに対し、ブーリエは3日の夜に直接辞意を示し、それを受け入れたと述べている。


 声明文によると、チームのシステムと体制に問題があるため再編を行うことを決めたとのことだが、これについてブラウンは説明し、マシンのパフォーマンスを向上させるためには、組織を大きく変える必要があると述べた。

「今年のリザルトは、我々がパフォーマンスにおいて大きな問題を抱えていることを示している」

「チームの歴史、所属する人々の才能、我々が持つリソースや技術を考えると、我々は自分たちの能力以下の仕事しかしていない」

「マシンがコース上で競争力を発揮しないのは、我々がチームとしてうまく機能していないからだ」

「私が見るところ、我々は反応が遅い。組織内で物事を単純化し、レースチームとしてうまく機能するようにしたい」

「迅速に動ける組織にする必要がある。我々は反応が遅すぎるし、スムーズな動きができていない。これは誰かひとりの問題ではない。スタッフは皆、非常に優れている。必要なのは、組織としての動き方を変更することだ」


 ブラウンは、チームの立て直しには時間がかかるが決してあきらめないと断言した。

「今いい状況にないが、今後大きく改善するものと期待している。今回大きな変更を発表したのは、チーム内部の状況を改め、整えるためだ。反射的な行動をするつもりはない。我々チームには、安定化のための時間が必要だ。ある程度の時間をかけて、強力な基礎を形成する」

「急激に今の状況に陥ったわけではないので、修正にもそれなりに時間がかかるだろう。今日の発表が、勝てる状況に戻るための最初のステップになる」

「株主からは100パーセントの支持を得ており、必要なエリアに投資していく。これからいい時期が訪れることを期待しているが、苦しい週末は今後もあるだろう。シルバーストンで奇跡が起こるとは思っていない」

「マクラーレンが本来の力を発揮して成功を収めることができずにいるのを見るのは辛いことだが、我々全員がその痛みを分け合っている。今の状況は全く受け入れることができないものであり、マクラーレンに所属する我々全員が痛みを感じている。だが、投げ出すことだけはするつもりはない」