モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第17戦シカゴ
カイル・ブッシュが最終周バトルを制し今季5勝目!
NASCARは猛暑のシカゴで久しぶりの3カテゴリー開催。カップ・シリーズではカイル・ブッシュが最終周、接触しあいながらの激しいバトルを制し、今季5勝目を飾りました。エクスフィニティ・シリーズではスポット参戦のダニエル・スアレツが4位。トラック・シリーズではブレット・モフィットが最終周の大逆転で今季3勝目を挙げました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第17戦 Overton’s 400
開催日:7月1日
カイル・ブッシュが最終周バトルを制し今季5勝目!
7月1日(日)、米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第17戦『Overton’s 400』が開催されました。
シカゴランドは2001年開設と比較的新しいコース。例年“プレーオフ”の開幕戦として戦われてきましたが、今年はこの時期に変更となりました。トヨタはこれまでに6勝。特に直近の3年は連続勝利を挙げています。カイル・ブッシュとデニー・ハムリンがそれぞれ1勝を上げているほか、マーティン・トゥルーエクス・Jr.が2016年、2017年と目下2連勝中です。トゥルーエクス・Jr.の3連勝か、ハムリンが今季初勝利を飾るか、期待がかかりました。
1日(日)、非常に暑いコンディションのなか、午後1時34分に1.5マイルオーバルを80周、80周、107周の3ステージ合計267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタートしました。
前日行われた予選で、4番手につけたハムリンと12番手のトゥルーエクス・Jr.は、予選後の車検で失格となり後方グリッドスタートに。また、ダニエル・スアレツも予選後に規定外の調整を行ったとして後方スタートとなりました。
トヨタ勢はエリック・ジョーンズが9番手、カイル・ブッシュが16番手からスタートを切りましたが、暑さでハンドリングを詰め切れず苦戦。そんななか、後方スタートのトゥルーエクス・Jr.が目覚ましい勢いでポジションを上げていき、ステージ1は3位フィニッシュ。エリック・ジョーンズが10位となりました。
ステージ2もトゥルーエクス・Jr.以外のトヨタ勢はハンドリングに苦しみ、トゥルーエクス・Jr.が4位、ハムリンが9位、トップ10前後での走行を続けるカイル・ブッシュは11位となりました。
ステージ3では、トップ10圏内につけていたハムリンが177周目に単独スピン。幸運にもどこにも接触することなく立て直しましたが、ピットインで大きく後退。また、これにより出されたイエローコーション時、スアレツもピット速度違反を取られ、ともに20位以下へと大きくポジションを落としてしまいました。
このコーション時、クルーの迅速な作業で6位へと4つ順位を上げたカイル・ブッシュは、ハンドリングの調整も効を奏し、再スタート後一気に2位へとジャンプアップ。
2位へ浮上したカイル・ブッシュは、じりじりと首位との差を詰めていき、208周目に出されたイエローコーション時のピットでついに首位に浮上しました。再スタート後は、今季勝利数でも争っているケヴィン・ハーヴィック(フォード)が猛追。一時はその差が1秒を切るまでに迫られましたが、その後引き離すことに成功。
このハーヴィックをかわし、終盤追い上げてきたのがシボレー勢期待の若手、カイル・ラーソン。2台の差は充分にあるかと思われましたが、ファイナルラップ直前、首位を行くカイル・ブッシュは周回遅れに阻まれ大きくペースダウン。
ここにラーソンが迫り、ファイナルラップのターン1から2にかけて、2台は接触。アウト側のカイル・ブッシュはバランスを崩して壁にヒットしましたが、何とか立て直して前に出たラーソンを追撃。バックストレートからターン3への進入で2台は再び接触し、ラーソンがハーフスピン。カイル・ブッシュもアウトの壁に再度ヒットしましたが、そのまま走り切ってトップチェッカー。カイル・ブッシュがファイナルラップの激しい攻防を制し、今季5勝目を挙げました。
トゥルーエクス・Jr.が4位、レースを通してトップ10圏内を維持する好走を見せたエリック・ジョーンズが6位、スピンから追い上げたハムリンが7位フィニッシュを果たしました。
次戦第18戦は7月7日(土)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われます。
ドライバー カイル・ブッシュ
「最後は周回遅れに阻まれて勢いを失い、何とかかわしたときにはラーソンが迫っていました。あんなに詰め寄られるとは思っていませんでした。彼も私をかわすだけの余裕はなく、ターン2で接触し、私は壁に当たりました」
「バックストレートではもう駄目かと思いましたが、何とか横に並び、ターン3から4で逆転し、勝つことができました。大変な一日でしたが、決して諦めず攻め続けました。チーム全員で勝ち取った、素晴らしい勝利です」
NASCAR XFINITY SERIES
第15戦 Overton’s 300
開催日:6月30日
ダニエル・スアレツが4位フィニッシュ
6月30日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第15戦「Overton’s 300」がシカゴランド・スピードウェイで開催されました。
猛烈な暑さに見舞われたこの日、午後0時46分に1.5マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
2016年のエクスフィニティ・シリーズチャンピオンであり、現在はカップ・シリーズにフル参戦しているダニエル・スアレツが今大会スポット参戦。スアレツはトヨタ勢最上位の4番手でスタートを切ると序盤からポジションを上げていき、11周目に首位に立ちました。
シリーズレギュラーのブランドン・ジョーンズとクリストファー・ベルはトップ5争いを展開。その後、暑さのなかでハンドリングが悪化したスアレツが徐々に後退し、ステージ1はベルが3位、スアレツが4位、ブランドン・ジョーンズが6位となりました。
ステージ2はベルが好スタートを切りトップへ浮上。しかし、カップ・シリーズのレギュラードライバー勢にかわされ、ステージ2もベルは3位、ブランドン・ジョーンズが9位、スアレツが11位。
ステージ3は序盤2度のイエローコーションが出たあと、残り80周はイエローコーションが出ない展開に。40周ほど過ぎたあたりから各車グリーンフラッグ下でのピットインを開始。ここで上位を争っていたベルが痛恨のピットロードスピード違反を取られ、周回遅れとなってしまいました。
ブランドン・ジョーンズはイエローコーションが出るのを期待して最後までピットを遅らせましたが、結局イエローコーションは出ず、残り22周でピットイン。ポジションを落とすこととなってしまいました。
猛暑のなかでの厳しいレースは、スアレツがトヨタ勢最上位の4位でチェッカー。ブランドン・ジョーンズは11位、ベルは12位に終わりました。
次戦第16戦は7月6日(金)、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われます。
ドライバー ブランドン・ジョーンズ
「暑さとの戦いでした。厳しいコンディションのなか、自分がどの位置を走っているか冷静に認識し、プッシュし続けるのはとてもタフなことで、肉体的にもですが、精神的な戦いでもありました。一緒に走っているライバル達も消耗しているんだ、と自分に言い聞かせながらのレースでした」
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第11戦 Overton’s 225
開催日:6月29日
ブレット・モフィットが今季3勝目!
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第11戦『Overton’s 225』が6月28日(金)にシカゴランド・スピードウェイで開催されました。
28日(金)午後8時10分に1.5マイルオーバルを35周、35周、80周の3ステージ合計150周(225マイル:約360km)して競われる決勝レースがスタート。19歳のノア・グラッグソンが今季3度目のポールポジションから首位争いを展開し、ステージ1の終盤一旦トップに立ちましたが、ファイナルラップでかわされ惜しくも2位。ブレット・モフィットが5位、18歳のトッド・ギリランドが8位に入りポイントを獲得しました。
ステージ2はグラッグソンが首位に立つと、モフィット、ジョン・ハンター・ネメチェク(シボレー)との三つ巴の首位争いに。これを制したグラッグソンがステージ2ウイン。モフィットは2位、ギリランドは8位。
ステージ3は同じ3人による首位争いにギリランドが加わり、4台でのバトルとなりました。ギリランドは3位へとポジションアップを果たしましたが、残り12周というところでタイヤのパンクに見舞われ壁にヒット。首位争いからは脱落してしまいました。
ギリランドのアクシデントではイエローコーションは出ず、首位争いはJ.H.ネメチェクとグラッグソンの一騎打ちに。ファイナルラップ、ターン1でグラッグソンがインをついて首位に浮上した直後、J.H.ネメチェクは燃料切れによりスローダウン。モフィットはトップでチェッカーを受け、今季3勝目を挙げました。
グラッグソンは4位。今季エクスフィニティ・シリーズにフル参戦しているブランドン・ジョーンズがスポット参戦ながら5位フィニッシュを果たしました。
次戦第12戦は7月12日(木)に米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで開催されます。
ドライバー ブレット・モフィット
「(最終周を示す)ホワイトフラッグへ向けたターン4が上手く行き、続くターン1の進入で、(第9戦)アイオワでノア(グラッグソン)が私にしたようにインに飛びこみました」
「しかしコーナーを半分過ぎたところで、もう無理しなくて良い、と言われて何かが起きたことに気付きました。後は勝利へ向けて素晴らしい1周を走るだけでした。ここでビクトリーレーンに立てるなんて信じられません。最高です。今週この機会を与えてくれたチームやスポンサーに本当に感謝します」