2017年8月にバルセロナで行われたテストでのクラッシュで負傷し、現在も療養生活を続けているティアゴ・モンテイロは、2019年のレース復帰へ向けて集中していることを明かした。
モンテイロは昨年8月に行われたWTCC世界ツーリングカー選手権のテストセッション中に高速でクラッシュ。頭部や上半身を負傷したほか、動体視力など視覚にも問題を抱えてしまった。
この影響でモンテイロは2017年後半のレース活動を断念。2018年はWTCCの後継にあたるWTCR世界ツーリングカー・カップでホンダ・シビック・タイプR TCRをドライブする予定だったが、いまだレースには復帰できていない。
復帰が遅れている理由について、モンテイロは頭部に受けた衝撃が要因であると述べている。
「さまざまな検査を受けた後、かかりつけ医やFIAの医師と何度も話をして、長期的な視点から(復帰する際の)いい点と悪い点を検討してきた」とモンテイロ。
「視覚についてはほぼ問題ない。視野についても100%ではないが、奇跡的に回復している。日常生活にはいっさい支障はないよ。頚椎や肩も100%の状態に戻っている」
「ただ、頭部外傷による影響が当初の予想より大きくてね。どの医者も最低でも11カ月か12カ月は衝撃を受けないように進言するんだ。だから、今すぐにレースへ復帰することはできない」
こう明かしたモンテイロは、2019年シーズンへの準備を兼ねて、シーズン後半にレース活動を再開する可能性を示唆した。
「(アクシデントから1年経ち)もうすぐ復帰できるタイミングになるんだ。だから、2019年の準備を兼ねてシーズン後半に(復帰の)目標を置いている。こうコメントできることをうれしく思うよ」
「もうすぐ事故から10カ月だから、すべてが順調に進めばあと1~2カ月なんてあっという間さ」
また、モンテイロは先日行ったというテスト走行についても言及。20年のレースキャリアで、ここまで長い間レーシングカーをドライブしなかったことはないとしながらも「半日もかからずに感覚を取り戻せた」という。
「テストでは2日間は単独で走り、その後2~3日はほかのクルマとも併走した。特に集団で走行することは重要なことだったんだ。単独で走っているときは視野を気にする必要はないからね」
「ただサイド・バイ・サイドになっているとき、どれだけ視界が確保できているかは極めて重要だ。だから併走したかったんだ」
2012年からホンダ陣営の一角としてWTCCに参戦し、優勝争いやチャンピオン争いを繰り広げてきたモンテイロ。2019年に本格復帰を果たせば、WTCRを戦うホンダ陣営にとっては強力な助っ人、ライバルにとって脅威になることは間違いないだろう。