7月6日発売の『SUPER GT FILE Ver.5』。今号ではガレージからサーキットへマシンや機材を運ぶトランスポーターに密着。そこに根付くプロフェッショナルの仕事をお届けする。
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スーパーGT500、スーパーGT300両クラスにエントリーするARTAのトランスポーターを取材しました。ARTAの車両運搬一式を担当するのはトランスウェブ。NSX-GTとBMW M6の2台を積載して運ぶ“クルマ便”のいわゆるトレーラーヘッド、トラクターには『スカニアR410』を使用しています。
スカニアはスウェーデンのメーカーでトラックのなかでは高級ブランドとして知られた存在。お値段は国産の1.3倍くらいとか。R410は13L直列6気筒エンジンを搭載して、最高出力は410ps、最大トルクは2150Nm。スカニアにはV8エンジン搭載のタイプもありますが、レーシングカーと機材を満載しても10トン程度で、80km/hの速度制限もあるので、そこまでのパワーは必要ないようです。
トランスウェブで使用するR410は今年3月導入の新車。その後新型が登場したので最新型ではないようですが、それでも装備は充実。2ペダルのフルオートマチックで、クルーズコントロールや自動追尾システムも装備しています。自動追尾は前車との距離を3段階に調整できて、ドライバーの負担を軽減するだけでなく、前車のスリップを利用して空気抵抗を減らすことで燃料を節減。
本革シートにはシートヒーターが装備され、エアで高さを調整可能で、エアコンや冷蔵庫はエンジンをオフしても2~3日は使用できて、CO2抑制に配慮と至れり尽くせりです。ベッドは二段上下になっておりキャビン内も広々、こんなトラックだったら長距離も運転が楽しくなりそうです。
ドライバーの桃坂健二さんの話では、街中のストップ&ゴーのような使い方では、国産の方が加速はよくラクかもしれないけど、高速道路では断然運転しやすいとのこと。ちなみに今年はヘッドだけでなくトレーラーも新車となりトレーラー全長が約15メーターと伸びたとのこと。道幅が狭く直角カーブがある“最難関”のツインリンクもてぎ・パドック出口の立体交差は、かなり大変かもしれません。
トレーラーはオーバーハングも長いので、内輪差だけでなく外側にもスペースが必要で、外側に寄り過ぎてもダメ。だからライン取りは数センチ単位の精度が要求されるとのこと。最終戦レース後にもうひとつの見どころなるかも!?
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このほか、「チーム」の仕事に迫ったオートスポーツ特別編集「スーパーGTファイルVer.5」は7月6日(金)発売です。
■スーパーGTファイル Ver.5
7月6日(金)発売
定価:1200円(1111円+税)
商品紹介ページ:http://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=10309