上映企画『「野火」戦後73年アンコール上映』が、8月に東京・渋谷のユーロスペースほか全国27館で開催される。
大岡昇平の体験をもとにした同名小説が原作の『野火』は、第二次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、田村一等兵の視点から戦争の恐ろしさを描いた塚本晋也監督の作品。イベントでは、メイキング映像『塚本晋也解説「野火」20年の軌跡』と、『鉄男』以来、多くの塚本作品の音楽を担当し、昨年に逝去したメタルパーカッショニストの石川忠と中村達也が共演したライブ映像を一部劇場で同時上映する。
ユーロスペースをはじめ14劇場では塚本監督の舞台挨拶を実施予定。詳細は『野火』のオフィシャルサイトで確認しよう。
さらに石川が手掛けた全16曲を収録する『野火』のサウンドトラックがリリース。塚本監督が『野火』と石川への想いを綴ったライナーノーツが付属する。『野火』の上映劇場では一般販売に先駆けて先行販売を実施。また7月8日には東京・早稲田大学大隈記念講堂 小講堂で行なわれるシンポジウム『映画監督と時代』に塚本監督が登壇する。なお塚本監督は、自身初の時代劇映画となる池松壮亮主演作『斬、』の公開を11月24日に控えている。
■塚本晋也監督のコメント
戦後70年の初上映のとき、すでに兵隊として戦地に行かれた方はほとんどいらっしゃらなくなり、戦地のほんとうの恐怖を知る機会が少なくなりました。戦争の恐怖。それを知ることが、戦争に近づかない一番の方法だと思います。
これからも、大きなスクリーンで、体験としての「野火」を味わっていただきたいと思います。