ブランパンGTシリーズ・アジアは6月30~7月1日、第3ラウンドが三重県・鈴鹿サーキットで行われ、土曜に行われたレース1はアブソルート・レーシングの3号車アウディR8 LMS(マーティン・ランプ/フランキー・チェン組)が、日曜のレース2ではFFFレーシング・チーム・バイ・ACMの19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3(マーティン・コドリック/デニス・リンド組)がそれぞれ初優勝を飾った。
ここまで2ラウンドを終えてグループM・レーシング・チームが開幕4連勝を飾っている今季のブランパンGTシリーズ・アジア。同シリーズでは成績に応じてサクセス・ピットストップ・ペナルティが与えられるが、今戦の舞台である鈴鹿ではこの“ペナルティタイム”が勝負の明暗を分けることとなった。
■レース1
初優勝を目指し前日の予選でポールポジションを獲得したアブソルート・レーシングの3号車アウディだったが、迎えた決勝レース1のスタートではランプが2番手スタートの19号車ランボルギーニを駆るリンドに1コーナーで交わされ、いきなり2番手に後退してしまう。
両車はその後、1秒前後の接近戦を展開しピットウインドウが開くレース中盤にかけてさらに接近するも、3号車アウディはピットイン間際に、混走するGT4勢のバトルにつかまり19号車ランボルギーニとのギャップを約4秒に広げられてしまう。
しかし、FFFレーシングの19号車ランボルギーニは前戦で2位に入ったことで10秒のサクセス・ペナルティを受けるため、2台はピットで逆転。チェンに代わった3号車アウディがトップに躍り出る。
全車のピットアウト後の2番手には3番手に順位を上げてきたクラフト-バンブー・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 Rがつけ、3号車アウディに対して激しい猛攻を仕掛けていく。1コーナーでサイド・バイ・サイドのバトルになるような激しいバトルが繰り広げられるなか、チェンはなんとかこれをしのぎ切って0.870秒差でトップチェッカーを受けた。
序盤のレースをリードした19号車ランボルギーニは3位、ハブオート・コルサの27号車フェラーリ488 GT3が4位、グループM・レーシング・チームの999号車が5位に入った。
グループM・レーシング・チームの666号車メルセデスAMG GT4がポールポジションを獲得したGT4クラスでは、オープニングラップでクラス首位を奪取したBMW Team Studieの木下隆之/砂子塾長組81号車BMW M4 GT4がそのまま逃げ切ってシリーズ初優勝を達成。
BMW Team Studieは僚友82号車BMWも3位表彰台を獲得し、鈴鹿での母国ウインに華を添えた。ポールスタートから一時は5番手まで順位を下げていた666号車メルセデスは最終的に2位でレース1を終えている。
■レース2
日曜に行われたレース2はハブオート・コルサの27号車フェラーリと28号車フェラーリにグループM・レーシング・チームの888号車メルセデス、FFFレーシングの63号車、19号車ランボルギーニが続くカタチでスタートが切られた。
レース序盤からセーフティカー(SC)が入るなか、上位陣はポジションをキープしたまま走行を続ける。しかし、2番手を走る28号車フェラーリのティム・スレイドが最終シケインでGT4マシンに追突してコース上に止まってしまう。
これで2度目のSCが導入されると、ほとんどのチームがこの間にピットストップを敢行。ほぼ順位変動なく各車がピットアウトするなか、4番手でピットに戻った19号車ランボルギーニは5秒のサクセス・ペナルティが響き5番手に順位を落としてしまう。
しかし、レース後半を担当することとなった19号車ランボルギーニのリンドは先行車のバトルの隙をつき2番手までポジションを上げることに成功する。
その後、3号車アウディのクラッシュによって3回目のSCが入るが、リスタート時に首位を走る27号車フェラーリがSCに釣られるようにまさかのピットイン。労せず首位に立ったリンドは2番手に上がってきたKCMGの23号車ニッサンGT-RニスモGT3を2秒差で制して今シーズン初優勝を飾った。3位には999号車メルセデスが入っている。
GT4クラスは、5番手からスタートした666号車メルセデス(ラインホルド・レンガー/大塚隆一郎組)がSCの助けも借りて逆転優勝。Team iRaceWinの72号車、クラフト-バンブー・レーシングの77号車メルセデスがこれに続き、メルセデスが表彰台を独占した。
レース1を制した81号車BMWは予選でレース2のポールポジションを獲得するも、ペースでメルセデスに太刀打ちできず。4位でレースを終えることとなった。
ブランパンGTシリーズ・アジアの次戦、第4ラウンドは7月21~22日に静岡県・富士スピードウェイで開催される。