日曜日のレースに向けて、トロロッソ・ホンダは、ブレンドン・ハートレーのパワーユニットを交換した。ICE(5基目)、ターボ(5基目)、MGU-H(5基目)、MGU-K(4基目)を交換したハートレーは、最後尾からスタートすることとなった。
日曜日のレッドブルリンクは朝から青空が広がり、絶好のレース日和。レース前にはオーストリアGPを視察に来たホンダの倉石誠司副社長が、2019年からタッグを組むレッドブルのオーナー、デートリッヒ・マテシッツと会談を行なった。
「我々は過去に4回チャンピオンを獲得している。再びホンダと栄冠を取り戻したい」とマテシッツと語り、お互い固い握手を交わして、この日のレースに臨んだ。
気温25℃、路面温度48℃というコンディションでスタートしたオーストリアGP決勝レース。12番手からスタートしたピエール・ガスリーが、スタート直後の3コーナーでいきなりストフェル・バンドーン(マクラーレン)と接触。レッドブル・ホンダにとっては波乱の幕開けとなった。
接触によってポジションを落としたガスリーだが、そのままレースは続行。14周目にコース脇にストップしたバルテリ・ボッタス(メルセデス)のマシンを回収するためにバーチャルセーフティカー(VSC)が導入されるとピットインし、ソフトタイヤに替えてコースに復帰した。
このピットストップでハートレーの後方に下がったガスリー。チームはスタート時に装着したタイヤでロングランしているハートレーと、すでにピットストップを終えて最後まで走りきるだけとなったガスリーのポジションを入れ替える作戦を採る。
この後、他車のトラブルやピットストップなどもあり、63周目にはガスリーは8番手まで浮上する。
しかし、バンドーンとの接触によってフロアにダメージを負ったガスリーは「どこを走っても滑りまくっていた」という状況でのレースを強いられていたため、リヤタイヤが徐々に異常発熱によってタイヤ内部に火ぶくれが起きる“ブリスター”に悩まされていく。
残り7周でフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)にオーバーテイクされると、翌65周目にはザウバーの2台に立て続けにパスされて入賞圏外の11番手に後退。あと一歩で入賞を逃した。
一方、タイヤ交換を終盤まで遅らせる作戦を取り、1セット目のタイヤでロングランを行なっていたハートレーは、ピットインする前の54周目にマシンのメカニカルトラブルによってコース脇にストップ、その場でリタイアした。
ポイントを獲得できなかったトロロッソ・ホンダにとっては残念なレースとなった今年のオーストリアGPを制したのは、姉妹チームのレッドブルのマックス・フェルスタッペン。次のレースは、ホンダF1のヨーロッパ拠点であるHRD MKがあるイギリスGP。前半戦を締めくくる良いレースを期待したい。