7月1日現地時間午後3時10分、オーストリアGP決勝が行なわれた。朝から好天に恵まれ、気温は22度、路面温度は48度まで上がった。
予選Q2でのカルロス・サインツJr.に対する走行妨害でセバスチャン・ベッテルは3グリッド降格ペナルティを受け6番グリッドに。シャルル・ルクレールは予選前にリヤサスペンション不良によるギヤボックス交換を強いられ5グリッド降格を受けている。
19番グリッドと低迷したブレンドン・ハートレーは決勝前にパワーユニット主要4コンポーネントを新品に交換し、ここでペナルティを消化して最後尾スタートになりパワーユニットのストックを作った。予選14番手のフェルナンド・アロンソも今季3基目のMGU-K投入で10グリッド降格に加えフロントウイングとピトー管を別スペックに交換することとなり規定でピットレーンスタートが義務づけられた。
上位ではメルセデスAMG勢とレッドブル勢がスーパーソフト、トップ10以下ではウルトラソフトのランス・ストロールとソフトのマーカス・エリクソン以外の全車がスーパーソフトをスタートタイヤに選んだ。
スタートでポールポジションのボッタスはやや出遅れ、ターン1でインにルイス・ハミルトン、アウトにボッタス、その真ん中にキミ・ライコネンが並んで3ワイドで入っていき、ボッタスがターン1で押し出されてその間に2番手ライコネン、3番手マックス・フェルスタッペンの順となる。
しかし、ライコネンはターン3でオーバーシュートしてしまい、そこからの立ち上がりでボッタスが並びかけてターン4のアウトから再び2番手を奪還した。その後ろは5番手ダニエル・リカルド、6番手ベッテル、7番手ロマン・グロージャン、8番手ケビン・マグヌッセン、9番手ニコ・ヒュルケンベルグ、10番手エステバン・オコンという順。
ターン3では止まりきれなかったストフェル・バンドーンがガスリーの右リヤに接触バンドーンはマシンにダメージを負ってピットインを余儀なくされる。ルクレールはターン6でコースオフしてしまい16番手まで後退してしまった。
12周目、メインストレートでヒュルケンベルグがエンジンブローで大きく白煙を吐きながらストップ。
14周目、油圧を失ってギヤボックスがシフトできなくなったボッタスはターン4ストップ。これでバーチャルセーフティカーが出て2番手フェルスタッペン、3番手ライコネン、4番手リカルド、5番手ベッテルはピットインを済ませソフトタイヤに交換するが、首位ハミルトンは戦略ミスでピットインせずスーパーソフトのままで走り続ける。
2番手フェルスタッペンとの差は13秒となるが、ハミルトンはここからピットストップ1回分のギャップを築かなければならず、不利な状況に追いやられる。さらに後方からはリカルドがファステスト連発の走りで20周目にはターン4でインを突いてライコネンをパスし3番手に上がる。
フェルスタッペンはハミルトンと同じペースで走行し、それ以上ペースが上げられないハミルトンは25周目にピットインしソフトタイヤに交換、4番手まで後退する。これで順位は首位フェルスタッペン、5秒後方に2番手リカルドとレッドブル勢の1-2。3番手ライコネンは5.9秒、4番手ハミルトンは6.8秒後方。
5番手ベッテルは8.6秒後方で中団トップの6番手グロージャンは35秒後方。その後方は7番手オコン、8番手マグヌッセン。9番手ペレス、10番手エリクソン、11番手ガスリーとなる。
34周目に2度目のピットストップを強いられたサインツは作業ももたつき17番手まで後退してしまった。
左リヤのブリスターに苦しみペースが上げられないドライバーが出始め、38周目にはライコネンがリカルドをターン4手前でDRSを使ってパス。ハミルトンも同様にペースが上げられず、ベッテルが39周目のターン3でインに飛び込んでパスする。これで上位は首位フェルスタッペン、2番手ライコネン、3番手ベッテル、これに4番手ハミルトンも離されず付いていく。5番手リカルドはハミルトンの20秒後方で、6番手グロージャンはさらにそこから16秒後方にいる。
首位フェルスタッペンはリヤタイヤをセーブしながら2番手ライコネンよりもやや速いペースで走行し、じわじわと差を広げていく。左リヤのブリスターが酷くペースが上げられないハミルトンは53周目にピットインしてスーパーソフトに交換。リカルドの後方に戻るが、その直後にリカルドはエンジンブローでマシンを止めハミルトンが4番手に上がった。
ハートレーもターン9で突如挙動を乱しコースオフ。ピットに戻ろうとしたがハートレーはドライブシャフト異常を訴えてコース脇にマシンを止めた。
ハミルトンはファステスト連発でプッシュするが前のベッテルとの差は20秒。ベッテルは最後までタイヤを持たせるべくターン9~10でタイヤを労って走っている。
60周目、ハミルトンは諦めてパワーユニットをセーブするためにペースを落とした。しかし63周目にハミルトンはパワーを失い、エンジニアから指示を受けてコース上にストップしリタイアとなってしまった。
62周目にルクレールを抜いて10番手に上がったアロンソは65周目にはガスリーも抜いて8番手に浮上。タイヤがグリップを失ってしまったガスリーはザウバー勢にも抜かれて11番手まで後退してしまった。
フェルスタッペンは最後までタイヤを保たせペースを落とすことなく71周を走り切り、オレンジ色に染まった大観衆の大声援を受けながらトップでチェッカードフラッグを受け優勝。
ライコネンは終盤にプッシュし最終ラップにファステストを記録したものの1.5秒届かず2位。ベッテルが3位、グロージャンがタイヤを保たせて4位でフィニッシュし今季初入賞を果たした。5位マグヌッセン、6位オコン、7位ペレス、8位アロンソ、9位ルクレール、10位エリクソンでガスリーは惜しくも11位フィニッシュとなった。