2018年F1オーストリアGPの土曜予選で、レッドブル・レーシングのダニエル・リカルドは7番手だった。
予選Q3で、レッドブル・レーシングのふたりに、走行順についての見解の相違が生じた。レッドブルはグランプリごとにアタックラップに出ていく順番を交代するという決まりを定めている。前戦フランスではフェルスタッペンが先に走ったため、今回はリカルドが先に走ることが決まっていた。
しかしオーストリアは短いコースで、Q3で3回のランを行うことが可能であるため、リカルドのなかでは、そのなかの1回のランは自分がトウを得るためにフェルスタッペンの後ろに下がる権利があるとの認識だった。そのため、リカルドはペースを落としてフェルスタッペンを前に出そうとした。フェルスタッペンにはレースエンジニアからの無線でリカルドの前に出るよう指示もあったが、フェルスタッペンはこれを拒否。リカルドはフェアでないとして不満を示した。
しかし予選後、チーム代表クリスチャン・ホーナーは、フェルスタッペンの見解を支持。リカルドは自分の見解はチーム全体において認識されていたものではなかったとして、フェルスタッペンの行動を受け入れた。
■アストンマーチン・レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 予選=7番手
僕にとって最高の予選でなかったことは間違いない。(Q3の)あの瞬間には、もっと公平な待遇があって然るべきと感じたので、クリスチャンとエンジニアとで話し合いをし、それで全体像を理解することができた。
予選前にもこのことについてはエンジニアと話したが、チームとしての話し合いができていなかったんだと思う。Q3に入ってから僕らが追いかけ合うような走りをしていたので、「何をしているんだ、話が違う」とチームは思ったんじゃないかな。
マシンに乗っていた時の僕の考えは、(3回のランのうち)1回はトウを与えるのではなく、トウを得たいというものだった。事前にきちんと話をしていれば、違うやり方もあったのかもしれない。でも僕は、最後の走行で、自分にトウを得るチャンスがあるものだと思っていた。もうこれ以上自分が前を走りたくなかった。でもマックスは僕にトウを与えたくなかったんだ。
彼にすれば、事前に話し合っていなかったのだから、この位置を動くつもりはない、と考えたのだろう。僕らは競争しているのだから、1インチだって相手に渡したくはない。このことでマックスに対して怒ってはいないけれど、あの時には苛立っていた。チームメイトは誰よりも打ち負かしたい相手であり、コース上では誰もが自分自身のために走っているんだ。
僕らのチームにはポリシーがあり、どちらが先にガレージを離れるかはレースごとに交互になっている。今週は僕が前を走る順番だったが、すべてのランでそうするのではないと思っていた。
ここで僕らはそれほど速さがなく、思っていたよりもストレートで遅かった。どうやって予選で上に行けばいいのかと思っていたんだ。Q3ではバランスがかなり良かったけれど、それでもこのコースで速く走れるパッケージではなかった。
でもポイントが与えられるのは予選ではない。明日のレースで何ができるかを考えよう。