フェラーリのセバスチャン・ベッテルが、F1オーストリアGP予選でカルロス・サインツJr.のアタックを妨害したと判断され、3グリッド降格のペナルティを受けた。
Q2終盤、ベッテルはフライングラップを走り終えてインラップに入り、ペースを大幅に落としていた。ベッテルはその前のラップのターン7からターン8でサインツをオーバーテイクしており、サインツがその後ピットインしたものと考えていたが、実際にはサインツはアタックラップに入り、ゆっくりとレーシングライン上を走っているベッテルにターン1で追いついてしまった。サインツは縁石に乗って接触を避けなければならず、ウイングを壊したが、幸いそれ以前に記録したタイムでQ3に進出することができた。
この件はQ2直後から審議対象になったが、ベッテルはアタック中のサインツが後ろから近づいているのに気付かず、チームからも知らされていなかったと述べていた。
「もちろん彼をブロックしたり、彼のラップを台無しにするつもりなどなかった」とベッテルは予選後に語った。
「通常は(レースエンジニアから無線で)教えてもらえるんだが、今回はそれがなかった」
コース上では怒りを示していたサインツだが、予選後には、ベッテルが故意にしたことではないとの見解を示していた。
「彼はついてなかった。僕が近づいてくるのを知らされていなかったんだ」とサインツはSky Sportsに話した。
「セバスチャンのことを強く非難するつもりはない」
しかしスチュワードは、ベッテルがサインツを不必要に妨害したと判断、彼に3グリッド降格のペナルティを科した。
「5号車(ベッテル)はプッシュラップを終えてインラップに入り、大幅にペースを落としてターン1のレーシングラインを走っていた。彼はターン7とターン8の間で55号車(サインツ)をパスしたことを認めている。ただし彼がその後にピットインしたと思いこんでいたという」とスチュワードの声明文には記されている。
「しかし実際には55号車はその後、プッシュラップに入り、ピットストレートからターン1の入口にかけて急激に5号車に近づいた」
「55号車のドライバーは、自分が近づいていることに5号車のドライバーは気付かなかったとの見解を示している。5号車のドライバーもそれを認め、ミラーで55号車が見えず、チームから無線で知らされてもいなかったと述べた。無線の件については、チームの代表者もこれを認めている」
「しかしながらスチュワードは、5号車のドライバーはミラーでの後方視野の問題に気付いており、無線での連絡がなかったとしても、予選のスローダウンラップでレーシングライン上をこれほど低速で走るべきではなかったと考える」
「2016年初め以降の妨害行為を疑われたインシデントを見返した結果、他の同様のインシデントと一致するペナルティは3グリッド降格となる」
予選3番手を獲得したベッテルは6番グリッドに降格され、ペナルティポイント1も科された。
一方、FP3でトラブルが発生したザウバーのシャルル・ルクレールはギヤボックスを交換しており、6戦連続使用の規則に反しているため、5グリッド降格ペナルティを受けた。ルクレールは予選13番手と今回も健闘したが、18番グリッドからのスタートになる見込みだ。