ZENT CERUMO LC500 2018 AUTOBACS SUPER GT Report
Chang SUPER GT RACE
第4戦 チャン・インターナショナル・サーキット
ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明
◆6月30日(土) QUALIFY
公式予選総合結果 13位(1分31秒064)
5月に開催された第3戦鈴鹿から1ヶ月以上。SUPER GTは今季開催5年目となる、タイ王国ブリーラムにあるチャン・インターナショナル・サーキットでの第4戦を迎えた。昼間は30度を軽く超える酷暑の中でのレースだが、LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとってはシリーズの流れのなかでも、好結果を残しておきたいレースだ。
日本から船積みされ、海を渡ってタイに届いたZENT CERUMO LC500は、走行の前々日から調整が進められ、6月30日(土)午前10時からの公式練習を迎えた。すでに過去5回戦っているコースでもあり、ドライバーの立川祐路と石浦宏明にとってもコースに対する不安はない。まずは立川がステアリングを握り、快晴の下コースインしていった。
ただ、周回を重ねていく立川は、ZENT CERUMO LC500に違和感を覚える。跳ねの症状があり、「まるでレーシングカートに乗っているかのよう」なフィーリングなのだ。これでは思うようにタイムを縮めることができない。立川はピットインしながらZENT CERUMO LC500のセットアップを進め、公式練習の時間が経つにつれてZENT CERUMO LC500のフィーリングは、大きく好転していった。
公式練習で立川からステアリングを受け取った石浦も、ZENT CERUMO LC500の感触が良くなっていることを感じ取る。このままいければ予選でもいいところを見せられそうだ……。ふたりは合計で40周をこなし、1分23秒364というベストタイムを記録。5番手につけ、午後の公式予選に向けて手ごたえを得た。
しかしその後、ピットウォークをこなしているうちにチャン・インターナショナル・サーキットの上空は薄暗くなりはじめた。LEXUS TEAM ZENT CERUMOが準備を始めた6月28日(木)から、毎日午後にスコールが降っている。まさか今日も……!? チームの嫌な予感は的中してしまい、公式予選Q1まであと45分ほどというところで、大粒の雨が降り出してしまった。
スコールはすぐに止んだものの、コース上は完全にフルウエット。排水作業のため、GT300クラスのQ1は当初予定から15分遅れとなる午後3時15分にスタートした。ただ、GT300クラスのQ1が進んでいくうちに、路面は急速に乾いていった。
ZENT CERUMO LC500のQ1を担当したのは石浦。路面は乾きはじめていたとはいえ、まだスリックタイヤでの走行は不可能なのは間違いなかった。ZENT CERUMO LC500は硬めのウエットタイヤを履きコースインし、タイヤが適切なグリップを得る温度まで熱を入れていく。
しかしその最中、#23 GT-Rが先陣を切ってスリックタイヤに交換していく。これに追従するライバルも何台かいる状況で、LEXUS TEAM ZENT CERUMOも選択を迫られることになった。ただ、コース上にいる石浦の目の前に出てきた#23 GT-Rはまだわずかに濡れている路面に苦しんでいる様子なのは間違いなく、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは硬めのウエットから、ふたたびウエットを履くことを決断。一度石浦をピットに呼び戻した。
迅速にタイヤ交換を行いピットアウトしたZENT CERUMO LC500は、ふたたび石浦の手によってアタックをかけていく。このままいけばQ1を突破し立川に繋げることができるか……と思われたが、Q1の序盤にスリックタイヤに交換し、コース上でタイヤを温め続けたライバルたちが続々とタイムを上げていく。今からではスリックタイヤに替える時間もない……。石浦はなんとかタイムアップを果たそうとするも、別の車両と走ってしまったりということもあり、タイムアップは果たせず。1分31秒064というベストタイムに留まり、13番手。Q1突破はおろか、決勝でも後方グリッドからスタートすることを強いられてしまった。
天候に翻弄される形となってしまったLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、決勝は地力の速さで追い上げを目指すのみ。チームは気持ちを切り替え、7月1日(日)のレースを戦う。
ドライバー/立川祐路
「公式練習の走り出しはフィーリングがあまり良くなかったのですが、走る前に予定していた流れでセットアップを変更し、良い方向に変えることができました。公式練習の後半はクルマもいい状態に仕上がっていたと思います。期待していたのですが、まさかの雨が予選前に降ってしまい、うまくいきませんでしたね。予選で自分の出番はなかったのですが、こればかりは仕方ないです。その分明日、オーバーテイクショーをみせられるように頑張りたいと思っています」
ドライバー/石浦宏明
「公式練習では、立川選手がドライブしているときはフィーリングがあまり良くなかったのですが、その後は良くなっていき、その感触を僕も確かめることができました。予選がドライなら、もっとタイムが出るタイヤを使おうと思っていたのですが……。Q1直前のGT300での予選では水しぶきがかなり上がっていたので、ウエットタイヤを装着しました。最終的にはスリックタイヤを履いたライバルが正解でしたが、ドライを履いたライバルと一緒に走ってしまい、タイムアップできませんでしたね。結果的にはこういう順位になってしまいましたが、ドライの感触はクルマもタイヤも悪くないので、レースでは上がっていくしかないと思っています」
浜島裕英監督
「公式練習では終盤にいいフィーリングを得ることができたので、逆に作戦が保守的になってしまい、ドライタイヤに踏み切れなかったのかもしれません。そこに上位進出できなかった理由がありますが、それは仕方がないことだと思います。明日も天候は分かりませんし、あきらめずに追い上げたいと思っています」