2018年F1オーストリアGPの金曜、レッドブル・トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーはフリー走行1=10番手/2=9番手、ブレンドン・ハートレーはフリー走行1=19番手/2=17番手だった。
チームは新型エアロパッケージを導入、金曜にはハートレー車でテストを行った。新パッケージの進歩を確認できたとして、土曜FP3からは2台に装着する予定だということだ。
FP2ではガスリーが縁石にヒット、トラックロッドに不具合が発生し、最終コーナーでコースオフしてマシンをとめた。しかし迅速な修復作業により、ガスリーはセッション終盤、コースに復帰している。
この日、チームはガスリー車にはスペインで使用したPUを搭載したが、土曜には使用済みの最新仕様のPUに交換する予定となっている。
■レッドブル・トロロッソ・ホンダ
チーフレースエンジニア ジョナサン・エドルズ
レッドブルにとってのホームレースとなるオーストリアGPは、我々にとって特別なイベントだ。天気予報では初日のプラクティスには雨が降り、FP2は走行ができなくなるかもしれないといわれていた。でも実際にはFP1もFP2もドライコンディションで走行することができた。
ここは一周が短いため、あまり休む暇がない。だがテクニカルなレイアウトなので、ドライバーにはできるだけ多くの周回を走らせることが重要だ。
今回、新しいエアロパッケージを持ち込み、今日はこれをブレンドンのマシンに装着して走らせた。FP1では彼のマシンを使って、さまざまな空力設定についてテストを行い、風洞とCFDでの結果を確認した。データを分析した結果、今のところこのパッケージは予想どおりに機能しているようで、向上が見られるため、FP3以降は2台のマシンに搭載する予定だ。
ピエールはFP1でメカニカル面のセットアップとタイヤの動きを理解するための作業を行い、FP2に向けていい方向性を見つけることができた。このトラックは縁石の面でマシンにとても厳しい。黄色のソーセージ縁石ではダメージを受けるため、ドライバーふたりがコースを最大限に利用してプッシュしていくなかで、ボディワークのコンポーネントにダメージが生じた。さらに深刻だったのは、ピエールがロングランの終盤にトラックロッドの不具合を被ったことだ。ランを始めたばかりの2台のフォース・インディアに近づいていったところ、乱れた空気の流れによってピエールは黄色の縁石にヒットしてしまった。それによってトラックロッドが大きな負荷を受け、問題が生じた。
メカニックたちが素晴らしい仕事をしてマシンを修復してくれたため、セッション終盤にピエールはコースに戻り、ロングランを行うことができた。おかげでピエールは走行時間をあまり失わずに済んだ。
彼がウルトラソフトタイヤでのアタックを行っていないことを考えると、ペースは良さそうなので、明日に期待している。ブレンドンについては、彼が求めるマシンバランスを見つけるために、今夜作業していく。
テクニカルディレクター ジェームズ・キー
(F1公式サイトのインタビューで、今回導入した新しいフロントウイング、バージボード、フロア、ブレーキダクトなどのテストについて聞かれ)いまのところ、大体予想したとおりに機能している。今夜、細かい部分を分析する必要がある。いくつか実験的なパーツを試した。これが今後の方向性を見つけるのに役立つだろう。
バランスはコンディションによっても変化したので、コンディションによるものなのか、空力によるものなのかを確認しなければならない。まだ作業は残っているが、すべて問題ないことを願っている。
今回導入した変更によりヒントを得られれば、それが今後の開発のための基礎になるだろう。今回学習したことに基づいて、今後、新しいパーツを取り入れていく。次のシルバーストンでも何かを導入するつもりだ。