2018年のスーパーGT500クラスのドライバーズランキングトップに立つTEAM KUNIMITSUのジェンソン・バトンと山本尚貴、チームを指揮する高橋国光総監督が6月29日、スーパーGT第4戦の舞台であるタイ・ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットで現地のメディア向けに会見を行った。
ホンダのエース格である山本と元F1ドライバーのバトンという強力コンビで2018年シーズンを戦っているTEAM KUNIMITSU。ここまでの3戦では第1戦岡山、第3戦鈴鹿で2位表彰台、第2戦富士でも9位に入って着実にポイントを積み重ねており、ランキングトップで第4戦タイに臨む。
会見に登場したバトンは「チャン(インターナショナル・サーキット)を走るのは今回がはじめて。楽しみだよ」とレースへの展望を語った。
「まだコースを歩いただけだけど、F1で戦ってきたサーキットに近い印象がある。ティルケ(ヘルマン・ティルケ/デザイナー)らしいレイアウトだね」
「スーパーGTはコンペティティブなシリーズだと考えて参戦することにしたけど、思っていた以上に激しいレースだ」
「レースキャリアにおける最大の目標はF1でワールドチャンピオンになることで、それは達成した。そして今の目標はスーパーGTでシリーズチャンピオンを獲得することなんだ。かなり難しい目標だと思うけど、素晴らしいチームにいるし、ナオキさん(山本尚貴)と一緒ならチャンスはあると思ってるよ」
パートナーである山本は「バトン選手は世界的にも有名で、F1でチャンピオンを獲っていて、僕以上に経験豊富な選手ですけど、スーパーGTに関しては僕のほうが多く経験があります。彼の経験と僕の経験をうまく生かして、今シーズンここまでうまく戦うことができていると思います」とシーズン序盤をふり返る。
「(ここまでで)チームとして改善するべき点はありません。今のところいい流れで来ているので、変える必要はないと思います。(第4戦については)バトン選手は今回、タイ(チャン・インターナショナル・サーキット)を初めて走るので、彼がどれだけ慣れて上手に乗れるかがポイントになると思います」
チームの指揮を執る高橋総監督は「今日ここに来て、こんなに多くの(現地)メディアの人が集まってくれたことを、日本の1チームとして喜んでいますし、びっくりしています」と語った。
「バトンさんも山本選手として一緒で、タイのファンの前で好成績を残したいと思っているはず。私も何度もタイに来て現地の方々と親しくなっているので、なんとかいい成績を納めたいなと思います」
「シリーズ戦としてちょうど真ん中ですし、重要だと思っています。ふたりの力を借りていい報告ができるレースにしたいと思っています」
この会見には現地のテレビが1社、紙媒体が8社、ウェブメディアが18社の合計27社が集まり、ドライバーたちに対し、シーズンの戦い方やタイの印象に関する質問をするなど、注目度の高さをうかがわせた。
また、サッカー人気が高いこともあり、現在ロシアで開催されているサッカーワールドカップに関する質問も行われた。
バトンは「イングランドにとっては厳しい流れだね。ただドイツが敗退したことで面白い展開になりそうだ。少なくともイングランドはここ数年と比較してもいい状態になっていると思う」と母国イングランドの戦いを評価。山本は「レースのことしか、よくわからない(笑)」としながらも、2大会ぶりに決勝トーナメント進出を決めた西野ジャパンに対し、エールを送った。