第9戦オーストリアGPの木曜日の会見に招かれたのは、ダニエル・リカルド(レッドブル)、キミ・ライコネン(フェラーリ)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、セルゲイ・シロトキン(ウイリアムズ)の4人。前戦フランスGPの勝者もいなければ、母国グランプリで接触した3人のフランス人ドライバーもいない会見にも関わらず、会見は意外なほどにヒートアップした。
その理由はこの中の2人の来季の去就が、いま注目されているからだ。それはリカルドとライコネンだ。
まず質問はライコネンに集中した。フランスGP直後に、イギリスのスカイ・スポーツが「フェルナンド・アロンソが2019年にインディに転向した場合に備えて、マクラーレンがリカルドとともにライコネンを候補に挙げている」と伝えたからだ。
まずはその件に関して、ストレートな質問が飛ぶとライコネンは通常モードで次のように答えた。
「どうだろう、わからないよ。確かに僕は2007年にフェラーリで終わりにするって言ったことがあるけど、そうはならなかった。それが今もまた、同じ状況になっている。でも、このあとどうなるかは誰にもわからない。それは自分も含めてね。もう少し、様子を見ようよ」
すると別の記者たちが手を替え品を替えて、本音を聞き出そうと、ライコネンを質問攻めにする。そのひとりが、『マクラーレン入り』の噂を流したスカイ・スポーツの記者だった。
「あなたか、あなたの代理人がマクラーレンと接触したことはあるのか?」と質問すると、ライコネンはこう答えた。
「そりゃ、彼らと話したことぐらいあるよ。でも、それはかなり前にことだ。僕にとって、そういうナンセンスな質問には興味はまったくないね」
数年前のライコネンなら、この手の質問が飛ぶと不機嫌になるところだが、いまのライコネンは笑顔で返す余裕があった。
すると同じ記者が「だれか話はしたんですか?」とさらに突っ込む。驚いたのは、その質問にライコネンが笑みを浮かべて次のように返した。
「そんなに知りたい? だろうね。でも、教えられないから、好きなように書いていいよ。どうせ、あなたたちは僕たちの答えなんかに関係なく、事実であろうとなかろうと、自分たちが書きたいように書くわけでしょ。イエスでもノーでもお好きなように、ハハハッ」
すると別の記者が、その勢いで、来季についてなかなか口を割らないリカルドに向かってこんな質問を投げかけた。
「もしあなたが理想のチームメイトを選ぶとしたら、だれですか?」
その記者がフィンランド人だったため、リカルドもジョークで返した。
「どんな答えが欲しいかわかってるよ!! キミかバルテリかのどっちかだよ、だよね。会見の後で200ユーロ払ってくれたら、本当のことを教えてあげる。まあ、それは冗談として、いいよ。なんでも好きに書いて。それでフィンランドの新聞が売れるなら」
ということで、この日の会見の審問はほとんどがライコネンとリカルドへ対するものだった。そんな中、マグヌッセンには「今シーズンをどう評価しているか?」という質問が。マグヌッセンの答えはこうだった。
「いい感じで来ている。それは僕のキャリアで初めて同じチームで2年目を迎えているからかもしれない。チームのみんなを知っているっていうのは大きなアドバンテージだ。毎回レースの準備をする時に、同じ人たちと、昨年走ったクルマで同じレースを振り返ることができるからね」
そして、なかなか質問されないシロトキン。DRSゾーンが今回、増えたことに関する質問が特にドライバーを指定せずに飛んだので、司会者が気を使って、「セルゲイから行きましょうか?」と回答を振った。
しかし、いまやウイリアムズはグリッド上で最も遅いマシンのひとつ。DRSを使用しても、オーバーテイクはなかなか難しい。
だが、シロトキンの答えは「僕は昨年ここでF1のレースしていないからわからない。まあ、最善をつくよ」とのこと……失礼しました。