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プレマ・セオドール・レーシング ヨーロピアンF3第3大会ノリスリンク レースレポート

2018年06月29日 11:31  AUTOSPORT web

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マーカス・アームストロング(プレマ・セオドール・レーシング)
マーカス・アームストロング初優勝!
ドライバーランキングトップに浮上

6月22日~24日
ドイツ/ノリスリンク

6月22日/金曜日 予選
 ニュルンベルク郊外の有名な公道サーキット“ノリスリンク”。濡れた路面のなか、トラフィックを懸念し、予選は2グループに分けて行われました。ニュージーランド出身のFDA(フェラーリ・ドライバー・アカデミー)ドライバー #8 マーカス・アームストロングは、この難しい路面コンディションを攻略し、見事レース1のポールを射止めます。クリアラップでのアタックを取れたこともトップタイムを出せた理由のひとつです。
 
 一方、同じグループの#4 ミック・シューマッハはアームストロングからコンマ1秒差のグループ3番手タイムを記録。しかしペナルティによりレース1は7番手スタートとなりました。
 
 #7 ラルフ・アーロンはポーでの予選を彷彿させるような走りで、グループ2番手タイムを記録。レース1は3番グリッドからのスタートとなりました。FDAドライバーの#10 ロバート・シュワルツマンと#1 ジョウ・グァンユー(周冠宇)はそれぞれ9番グリッド、13番グリッドとなりました。

6月23日/土曜日 レース1
 プレマ・セオドールレーシングのルーキーふたりが、レース1で素晴らしいレースを展開。ポールからスタートした17歳の若きアームストロングは順調なレースを繰り広げ、初優勝を手にしました。
 
 後ろに続いたエストニアのアーロンは今シーズン3度目のポディウム、2位表彰台を獲得。そしてシューマッハーは7番手スタートから順位を2つ上げ、5位でチェッカーを受けました。シュワルツマン、グァンユーはそれぞれ6位、9位入賞を果たします。
 
 プレマ・セオドールレーシングは、ワン・ツー・フィニッシュでレースを終え、また全マシンが入賞という快勝でレース1を終えました。

予選2
 FDAドライバーのルーキー、シュワルツマンがF3キャリア初のポールポジションを掴み取りました。レース1で初優勝を手にしたアームストロングも好調でトップ3のグリッドからのスタート。グァンユーは12番手、アーロンは18番手。シューマッハーは20番手からポイント獲得を狙います。

予選3
 予選2に続き、レース3のグリッドを決定する戦いが行われました。またもやアームストロングがポールを獲得。グァンユーはこの週末、最高位の4番手からのスタート。シュワルツマンとアーロンはそれぞれ7番手、14番手からレースに挑みます。シューマッハーはまたも20番グリッドから入賞を目指します。

6月24日/日曜日 レース2
 空を雲が覆うなか、ところどころ晴れ間を見せたノリスリンク。F3キャリア初ポールのシュワルツマンに期待がかかります。しかし、シグナルアウトした直後の1コーナー、他のマシンにウォールに追いやられ接触。残念ながらリタイアとなってしまいました。
 
 一方、3番グリッドからスタートしたアームストロングは順位を守りきり、再度ポディウムに登ります。後方20番手から追い上げを見せたシューマッハーは見事9位入賞。グァンユーとアーロンはそれぞれ12位、13位でレースを終えました。
 
 ※なお暫定表彰2位の#65 エナム・アーメド(ハイテック)はレース終了後に、20秒のタイム加算ペナルティが課せられ15位に降格。これによりアームストロングが3位から繰り上がり、2位になりました。

レース3
 波乱に満ちたノリスリンクで行われる最後のレース3。なんとレース1、レース2でポディウムフィニッシュを決めたFDAドライバー、アームストロングがまたもや表彰台を獲得しました。
 
 セーフティカーが2度も入る荒れた展開のなか、3番手までポジションを落としたものの、なんとかトップ3をキープしたままチェッカー。また今回厳しいレースウイークを送る同じくFDAドライバー、グァンユーはレース3でなんとか4位入賞を果たし、この3レースの中で一番の結果を出しました。
 
 アーロンは順調に順位を上げ、後方のグリッドから6位入賞。シュワルツマンもなんとか順位を守りきり7位入賞となりました。母国レースだったシューマッハーは8位でチェッカー受けたものの、ペナルティにより15位へと降格となりました。

#1 ジョウ・グァンユーのコメント
「マシンは本当に良かったですしグループの先頭でアタックできたため、好タイムを期待できました。しかしアタック中に路面が乾きはじめグリップが不足。タイヤを滑らせながら予選を終えることになりました」

「厳しい予選でしたがレース1では、なんとかポイントを持ち帰ることができました。予選2ではアタック中少し雨が降ってきてしまい、思ったとおりの結果がでませんでした。その後行われた予選3ではセカンドローを獲得できたので、そこは良かったです」

「レース2はスタートしてから数周のレースペースは悪くありませんでした。ところが別のマシンがタイヤをロックさせて、僕の方に突っ込んできました。接触回避のために、残念ながら8番手のポジションを落とすこととなりました」

「レース3では#44 ユーリ・ビップス(モトパーク)に壁に追いやられ4番手のポジションを失いました。最終的にポジションを取り戻し4位入賞となりましたが、今回のノリスリンクではポディウムを得ることができず、良い週末とは言えません。非常に残念です」

#4 ミック・シューマッハのコメント
「予選1は非常に良いアタックができました。セッション全体ではポール争いに加われるほどでした。しかしマーシャルの誤審により、ペナルティを受けレース1は7番手スタートとなりました」

「予選での不幸はありましたが、レース1はスタート時に順位をふたつ上げ、5位入賞ができました。他のマシンが速いなかで貴重なポイントを獲得でき本当にうれしく思っています」

「予選2、3ともに20番手グリッドからのスタートとなってしまいました。レース2では後方から追い上げ、なんとかポイントを獲得できるポジションでチェッカーを受けました。レース3については8位でレースを終えましたがその後ペナルティを受け、降格となってしまいました。次回のザントフールトで良いレースができることを楽しみにしています」

#7 ラルフ・アーロンのコメント
「マシンは本当に良かったです。しかし実際にアタックに入る前に少しタイヤを使いすぎてしまいました。タイヤがいい状態のときにアタックができませんでした。どうにか可能な範囲で一番良いグリッドを獲得できたと思っています」

「レース1ではチームメイトのマーカスのスタートも良かったのですが、僕も負けていませんでした。ただ後方のマシンがコーナーで仕掛けてくることを考慮する必要がありました。巻き込まれては台無しになりますから。ミラーを見た時、スモークを上げるマシンが見えましたが、なんとか切り抜けることができました。レース1はポディウムに上がれてうれしいです」

「レース2は良い結果ではありませんでした。レース3ではリスタートをうまく使い、ポイント圏内でレースを終えることができました。次戦、ザントフールトは僕たちのマシンにとても相性が良いと思いますが、油断せずベストを尽くしたいと思っています」

#8 マーカス・アームストロングのコメント
「予選1では路面が濡れていましたが、少しずつ乾いていくはずだと予測していました。なので初めはあまりプッシュせず、時が来るのを待っていました。予想どおり路面が回復した頃にアタックを開始。ポールを取ることに成功しました」

「レース1は完璧なレース展開ができたと思います。これまでのレースでは他車に巻き込まれてしまう事が多くありましたが、ポールポジションからスタートで引き離せれば本当に楽にレースの主導権を得られると感じました。レース前にシミュレーターで準備したことも勝利につながりました」

「レース2、3でも続けてポディウムを獲得できて、最高の週末でした! レース3でグリップを失い順位を下げたのは残念でしたが、3位に踏み止まりました。こんなに良い結果を出せるとは思いもしませんでした。次戦も頑張りたいと思います!」

#10 ロバート・シュワルツマンのコメント
「予選1はあまり良い結果とは言えませんでした。ペースは悪くありませんでしたが、僕たちが予測したよりも路面が回復するのが遅かった為です。レース1では順調に6位までポジションアップする事ができました」

「予選2は最大限のパフォーマンスを発揮することができました。そしてF3初めてのポールポジションを獲得することができました! チームには本当に感謝しています。また自分の自信にもつながる結果でした」

「ポールを取れたレース2でしたが、うまくそのチャンスを活かすことができませんでした。他のマシンに壁に追いやられて接触してしまったのです。レース3でも入賞することができましたが、今はもう次戦ザントフールトに頭が向いています。ベストを尽くします」