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恒例の多国間共同訓練「RIMPAC2018」26か国が参加しハワイ周辺海域他でスタート

2018年06月28日 16:22  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

恒例の多国間共同訓練「RIMPAC2018」26か国が参加しハワイ周辺海域他でスタート

 アメリカがホスト国となって2年に1度開催される恒例の多国間共同訓練「RIMPAC(RIM of the PACific)2018」が、6月27日(現地時間)にオアフ島カネオヘ湾をはじめとするハワイ周辺海域と、アメリカ本土カリフォルニア州の海兵隊キャンプ・ペンドルトンを舞台に始まりました。今回はアメリカや日本をはじめ、全部で26か国が参加しています。


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 今回のRIMPACに参加しているのは、ホスト国のアメリカをはじめ、日本、イギリス、イスラエル、インド、インドネシア、オーストラリア、オランダ、カナダ、韓国、コロンビア、シンガポール、スリランカ、タイ、チリ、トンガ、ドイツ、ニュージーランド、フィリピン、フランス、ペルー、メキシコ、ブラジル、ブルネイ、ベトナム、マレーシアの26か国。近年は環太平洋諸国だけでなく、ヨーロッパのNATO加盟国なども参加しています。また、イスラエル、スリランカ、ブラジル、ベトナムの4か国は初参加となります。


 これだけ多くの国が集まるため、参加する兵力も多く、艦艇がアメリカ海軍の空母カール・ビンソン(CVN-70)をはじめとする47隻、潜水艦が5隻、航空機約200機、人員は2万5000人以上となります。受け入れるアメリカ側も大変ですね。


 また、様々な国の艦艇が一堂に会するので、ハワイの艦船ウォッチャーにとっては、珍しい艦艇を目にする機会が多い、と楽しみにしていたりもするようです。特に南米の艦艇がハワイにやってくることは少ないので、こういう機会は貴重です。


 日本の海上自衛隊からは長崎県佐世保の第2護衛隊から護衛艦いせと大村航空基地の第22航空隊から搭載ヘリコプター3機(計約390名)、沖縄県那覇基地の第5航空隊からP-3Cが2機(約60名)、そして掃海部隊から水中処分員を中心に約10名の自衛官が派遣されています。


 お隣韓国はイージスシステムを搭載したミサイル駆逐艦ユルゴク・イ・イ(DDG-992)のほか、潜水艦パク・ウィ(SS-065)、そしてP-3Cを派遣しています。


 オーストラリアは、スキージャンプ式飛行甲板を有する同海軍最大の艦艇である強襲揚陸艦のアデレード(L-01)のほか、ミサイルフリゲートのメルボルン(FFG-05)、汎用フリゲートのトゥーンバ(FFH-156)などが参加。ニュージランド海軍からは、オーストラリア海軍のトゥーンバの実質的姉妹艦(ドイツのMEKO 200型フリゲートがベース)であるフリゲート、テ・マナ(F111)が参加しています。実質的姉妹艦とはいえ、トゥーンバとテ・マナには微妙な差異があり、それぞれの思想が見て取れます。


 南米のペルーからは哨戒艦フェレ(PM-211)、チリはフリゲートのアルミランテ・リンチ(FF-07)などが参加しています。


 インドネシア海軍は就役したばかりの最新鋭フリゲート(オランダのシグマ型コルベット10514型)の2隻、マルタディナータ型のマルタディナータ(331:2017年4月就役)とヌグラ・ライ(332:2018年1月就役)をお披露目です。ステルス性を考慮したスマートな艦影は、横から見ると豪華クルーザーのようにも見えますね。



 参加各国は、相互理解を深めるためのサッカー大会などを行ったり、連携を深めるための艦隊行動訓練なども行います。特に海は多くの国とつながっているので、相互に協力し合うことが多く、このような共同訓練は大事な機会となっています。



 また、カナダは陸上部隊も派遣しており、アメリカ本土カリフォルニア州の海兵隊キャンプ・ペンドルトンで、上陸戦闘訓練や、負傷者救出の訓練なども行っています。


 この他にも、対潜水艦戦訓練や空母カール・ビンソンの艦載機(アメリカ海兵隊VMFA(AW)-533のF/A-18Dなど)との対空戦闘訓練、また近年重要性が増している人道支援・災害救援訓練などを行いつつ、訓練は8月2日まで続きます。


Image:U.S.Navy


(咲村珠樹)