FIAヨーロピアンF3選手権は6月22~24日、ドイツ・ノリスリンクで第3大会が行われ、モトパークに所属する佐藤万璃音はレース1、レース2で連続入賞を果たした。このうち、24日に行われたレース2では自己最高位の7位となっている。
日本人ドライバーとして唯一、今シーズンのヨーロピアンF3に挑んでいる万璃音。前戦のハンガリー・ハンガロリンクでは苦戦を強いられ、ポイント獲得を逃したが、23台が名を連ねた今大会は初日の練習走行1回目こそ16番手に留まったものの、続く練習走行2回目は7番手と上々の滑り出しをみせた。
しかし、ウエット路面で争われた予選1回目は「速いラインを見つけるのに手間取り、ようやくそれを発見したときには一周をまとめられませんでした」というようにアタックを決められず。決勝レース1は15番手グリッドからスタートすることとなった。
翌23日に行われたレース1、万璃音は1コーナーから3コーナーまでの間に3台を抜き、1周目に12番手にポジションアップを果たすと、フルコースイエローとセーフティカーの導入を挟んだ2周目終了時には入賞圏内の10番手に浮上する。
その後、リスタート時に前方で接触があったため8番手となり、最後は7番手を脅かす走りを披露して8位でチェッカーを受けた。
万璃音は同日に行われたレース2、レース3のグリッドを決める予選2、3回目でもこの勢いを維持し、ポールポジションを狙える好走をみせる。最終的に、いずれのセッションもA/Bの2グループに分かれたうちのグループBで5番手/総合9番手に留まるも、「自分がグループB予選の主導権を握っていた自負はあります。最後の最後に逆転されましたが、ユーロF3に参戦して初めて誇りを感じられるセッションでした」と胸を張った。
迎えた24日の決勝レース2はグリッドで立ち往生したマシンに他のマシンが乗り上げるアクシデントが発生したため、スタート直後に赤旗が提示される。33分+1周のレースが23分+1周に短縮されるなか、万璃音はレース1で記録したユーロF3自己最高位をさらに更新する7位でチェッカーを受け2レース連続入賞を果たした。
続くレース3でも入賞が期待されたが、1コーナーの立ち上がりで前方を走る2台が接触。コースを塞がれた万璃音は最後尾まで落ちてしまい、入賞圏内に戻ることは叶わず。13位でレースを終えることとなっている。
■万璃音「前大会の不振を拭えたので次戦が楽しみ」
クルマの速さを引き出せなかったというハンガロリンク戦とは対称的に「今週末は総合的にみて調子は良かったと思います」とノリスリンクのレースウイークを振り返った万璃音。
「練習走行1回目の順位は下位に留まりましたが、僕がブレーキパーツの交換でセッションを早めに切り上げたあと、多くのドライバーがセッション終盤に良いタイムを出しただけです。また練習走行2回目は早めにコースインするはずでしたが、作業に手間取り走行時間が削られてしまいました」
「さらにコースインから間もなく小雨が降った影響も受けましたね。それでも自分やクルマの調子は悪くなく、総合7番手で終えられました」
「決勝レース1のスタートは抜群に良かったわけではなく“普通”でした。その後の混乱のなか、目の前の視界がひらけたので順位を上げられました。また1周目の2~3コーナーではフェルディナンド(・ハプスブルク)との激しい競り合いに勝つことができました」
「スターティング・グリッドが15番手と後方で、ブレーキにも不安を抱えていたので8位が精一杯でしたが、結果にも内容にも満足しています」
決勝レース1の後に行われた予選2回目は「タイムアタックのタイミングがやや早すぎたのかもしれません。それでも、セクタータイムでベストを連発し終始ポールポジションを争う位置で戦えて自信になりました」と万璃音。
「決勝レース2は目の前に居たジェハン(・ダルバラ)の反応に僕も反応して、グリッドで止まっていたチームメイトのダン(ダニエル・ティクトゥム)にぶつからずに済みました。レース序盤はマカオグランプリを戦っているようでシビれました! 一度は抜いたジェハンがレース終盤に“接触上等”という感じで後ろから無理に突っ込んできたときは、抑えられませんでした……。」
「決勝レース3は自分の位置取りが不運にも悪かったのでしょう。1コーナーをアウト側から立ち上ったのですが、並走していたライバル2台の接触でスピンした1台に進路をふさがれ、最後尾まで落ちてしまいました。クルマもダメージを受けていて、残念ながら3レース連続入賞を逃しました。しかし、前大会の不振をすぐに拭えたので次の大会が楽しみです」
2018年FIAヨーロピアンF3の次戦第4大会は7月14~15日、オランダのザントフールトを舞台に行われる。