人事コンサルティング会社のマーサーは6月26日、「2018年世界生計費調査 都市ランキング」を発表した。
調査は今年3月に同社が実施し、世界209都市の住居費・交通費・食料・衣服・家庭用品・娯楽費用などを含む200品目以上から物価の高さを比較し、算出。為替は2月の平均レートを使用している。
生計費が最も高い都市は「香港(香港SAR)」で、昨年2位からランクアップとなった。以降、「東京(日本)」、「チューリッヒ(スイス)」、「シンガポール(シンガポール)」、「ソウル(韓国)」が上位5位に入った。いずれも昨年より1ワンクアップしている。
アジアは上位10都市中6都市がランクイン
昨年首位の「ルアンダ(アンゴラ)」は6位にランクダウン。7位以降「上海(中国)」、「ンジャメナ(チャド)」、「北京(中国)」、「ベルン(スイス)」がトップ10にランクイン。
一方、最も低かったのが209位「タシケント(ウズベキスタン)」で、以降ワースト10は「チュニス(チュニジア)」、「ビシュケク(キルギスタン)」、「バンジュール(ガンビア)」、「カラチ(パキスタン)」、「ブランタイヤ(マラウイ)」、「ドビリシ(ジョージア)」、「ミンクス(ベラルーシ)」、「テグシガルパ(ホンジュラス)」、「マナグア(ニカラグア)」となった。
アジア・太平洋地域からはトップ10に6都市が入った。同社は「中国の通貨規制の強化、経済の活況、人民元の国際通貨化への試みにより、中国の都市は順位を上げています」としている。
他の地域の生計費が大幅に上昇した結果、「今年は日本の都市、特に大阪と名古屋が順位を下げています」と指摘。他の地域ではバンコク(52位)が去年より15ランク、クアラルンプール(145位)が20ランク順位を上げた。一方、ハノイ(137位)は37ランク落としている。オーストラリアの都市も順位を下げている。
アメリカ都市の順位が下がる一方、ヨーロッパは上昇傾向に
またアメリカの都市は、ヨーロッパの経済が回復したことで米ドルの価値が下がり、全体的に順位を下げた。ヨーロッパはトップ10にチューリヒとベルンの2都市がランクインし、11位にジュネーブが続く。特にドイツの都市は上昇幅が最も大きく、フランクフルト(68位)とベルリン(71位)は49、ミュンヘン(57位)は41ランクアップとなった。
一方、東ヨーロッパと中央ヨーロッパでは、米ドルに対して現地通貨が下落したため、いくつかの都市が順位を下げた。なお同データは、一般的な物価指数を測るものではなく、海外駐在員の報酬、手当を設定するために利用される。