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トランプ大統領にデヴィッド・リンチ監督が提言「手遅れじゃない。方向転換を」

2018年06月28日 01:12  Techinsight Japan

Techinsight Japan

デヴィッド・リンチ監督、トランプ大統領に「方向転換を」
映画『エレファント・マン』『ワイルド・アット・ハート』『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』など独特な雰囲気の映画を数多く手掛けてきたデヴィッド・リンチ監督が先日、『The Guardian』の取材に応じて「トランプは歴史上もっとも偉大な大統領として名を残しうる」とコメント。これに多くの“アンチ・トランプ”が困惑し「どういうことか」と眉をひそめるなか、リンチ監督が「ちょっと説明を加えたい」として大統領に宛て文書を記し、Facebookにてそれを公開した。

世界中の映画ファンを魅了してきたデヴィッド・リンチ監督が自分を「褒めた」ことに、ドナルド・トランプ大統領はすっかり気分を良くしたもよう。さっそく監督のコメントに関する記事のURLをTwitterにアップしているが、これに戸惑ったリンチ監督は「少々説明を加えたい」として、Facebookで以下のように綴った。

「親愛なる大統領様 デヴィッド・リンチです。『Breitbart』による『リンチ監督:「トランプは歴史上もっとも偉大な大統領として名を残すことができる」』の記事をリツイートされているのを確認しました。今の私は、大統領とぜひ話し合いができればと願っています。この引用部は拡散し、文脈を少々無視して解釈されているものです。そして少しばかり説明が必要なものでもあります。」
「残念ながらこのままの状態であれば、あなたが史上もっとも偉大な大統領として歴史に名を残すことはまずないでしょう。そしてあなたにとって、そしてこの国にとっても、非常に悲しい結果になることでしょう。あなたは苦悩、そして分断を引き起こしているのです。」

「ですがまだ手遅れではありません。船の向かう方向を転換することは、まだできるのです。そしてその船を、我々皆にとって明るい未来へと向けてほしいのです。あなたにはこの国を団結させることができる。偉大で愛情深いリーダーシップのもとであれば、負ける者などいないはず。全ての人が勝利できるのです。」

「どうかあなたには、今申し上げたことについてお考えいただきたいのです。そして深く考慮していただきたいと望んでいます。」

そしてリンチ監督は大統領へのメッセージを、このように締めくくっている。

「人に対し『こう接して欲しい』と望むように、自分も自分以外の人に対しきちんと接するのです。あなたがすべきことは、それだけなのです。」

様々な暴言で人を苦しめもした国のトップであるトランプ大統領に対し、リンチ監督は「それでは駄目だ」「このままでは良い方向にはまず向かわない」と提言したのだ。

なお経済誌『Forbes』のサイトは良いリーダーに欠かせぬ資質を、以下の8つであるとしている。

(1)嘘偽りのない熱意
リーダーの熱意と情熱が本物であれば、その思いはスタッフにも“感染”していく。
(2)誠実さ
いったんスタッフが「このリーダーは誠実ではない」という証拠を目の当たりにすると、信用の回復はほぼ不可能である。
(3)優れたコミュニケーションスキル
指導者は部下にやる気を与え、指導をし、自己管理をさせる。
(4)忠誠心
優秀なリーダーは、真の忠誠心は一方通行のものではないと心得ている。
(5)決断力
自信の決断に責任を持ち、うまく行かねば自分が責任を負う姿勢を持つのが良い指導者である。
(6)管理能力
良い指導者には、部下にやる気・動機を与え、きちんと監督する能力がある。
(7)エンパワーメント
従業員が持つ潜在能力を開花させることは、実に有益なことである。
(8)カリスマ性
部下は「この人は好ましい」とする上司のリードに従う傾向がある。良き上司は適切な言葉で相手と話し、よってアプローチしやすく、フレンドリーであると同時に、部下を思やっているのだと示すものである。

アメリカという国家のリーダーであるトランプ大統領は、これら資質のうちいくつを兼ね備えているのだろうか。リンチ監督は「手遅れにならぬ前に方向転換が必要だ」と訴えているが、その言葉が大統領にどう響くかにも注目したい。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)