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小6男児、昼休みの「ガチゲンカ」で顔面打撲の重傷、加害児童の法的責任を問える?

2018年06月27日 11:12  弁護士ドットコム

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殴る蹴るの暴行を受けた末、左目打撲に頭部顔面打撲で全治1週間の重傷。被害者と加害者はともに小学校6年生の男児。被害男児の親から、「傷害として訴えられますか?」と弁護士ドットコムの法律相談コーナーに投稿が寄せられました。


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投稿によると、事件現場は小学校。相談者の息子マサヒコくん(小学校6年生)は、同じクラスのショウタくん(小学校6年生)と喧嘩になり、ショウタくんのお尻を蹴ってしまいました。ショウタくんもマサヒコくんのお尻を蹴り返したものの、その後はなにも起きず、一時休戦したかのようにみえました。


ところが、まったく怒りがおさまっていなかったショウタくんは、昼休みに階段でマサヒコくんを追いかけ、足の付け根を蹴った後、顔面を殴りました。その場に倒れこんだマサヒコくんに殴る蹴るなどの暴行をし、重傷を負わせました。


ショウタくんの親から相談者に謝罪はあったようですが、マサヒコくんの怪我よりもショウタくんの評判が落ちることを気にする発言に相談者は激怒。できれば傷害として訴えたいようですが、小学生同士の喧嘩でも可能なのでしょうか。小野智彦弁護士に聞きました。


●加害児童を傷害の罪に問うことはできない

相談者は傷害として訴えたいようですが、加害児童ショウタくんを傷害の罪に問うことはできるのでしょうか。


「残念ながら出来ません。加害者は小学校6年生、つまり、12歳。ということは、まだ刑事未成年(14歳未満)といえ刑法上の責任能力がありません。そのため、犯罪が成立しないので、傷害の罪に問うことは出来ないのです」


もし、相談者が警察に相談した場合はどうなるのでしょう。


「通常は、警察から児童相談所に通報され、児童相談所の扱いになります」


●加害児童に損害賠償請求できるかは、民法上の責任能力次第

ショウタくんに対して、治療費などの損害賠償請求はできるのでしょうか。


「けがをさせたことなどの不法行為があったとしても、民法上の責任能力が認められないと、損害賠償請求はできません。


民法上は、刑法のように何歳未満には責任能力がないという画一的な基準がないので、各事例において具体的な事情に応じて判断することになります。一般的には12歳(小学校卒業程度)を基準として責任能力の有無が判断されています」


とすると、ショウタくんは微妙なところですね。


「具体的な事情に応じて責任能力があると判断されれば、損害賠償請求出来るということになりますし、そうでなければ出来ないということになりますね」


●保護者や小学校など、監督義務者等が責任を負う

ショウタくんの親や小学校の責任を追及することはできますか。


「できます。加害児童に損害賠償請求出来ない場合はもちろん、出来る場合であったとしても資力がなければ、被害者は治療費すら支払われないという状況になってしまいかねません。そこで、これを救済するべく、民法は監督義務者等に責任を負わせることとしています」


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(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
小野 智彦(おの・ともひこ)弁護士
浜松市出身。1999年4月、弁護士登録。オフィスは銀座一丁目。手品、フルート演奏、手相鑑定、カメラ等と多趣味。手品の種明し訴訟原告代理人、ギミックコイン刑事裁判弁護人、雷句誠氏が漫画原稿の美術的価値を求めて小学館を提訴した事件などの代理人を務めた。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。

事務所名:銀座ウィザード法律事務所
事務所URL:https://ginzawizard-lawoffice.com/