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Hey! Say! JUMPは優しいファミリーだ 岡本圭人活動休止に寄せて

2018年06月27日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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「圭人だもんね、そこが圭人の良さでもあると思いますけど」


 Hey! Say! JUMPの山田涼介が、6月21日にメンバーが週替りでパーソナリティを務めるラジオ『Hey! Say! 7 UltraJUMP』(文化放送)に登場。先週パーソナリティを担当した岡本圭人に愛あるイジりを披露した。


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 6月11日から14日にかけて、文化放送の『レコメン!』ではジャニーズ番組のコーナー大シャッフルスペシャルが開催され、岡本はいつもKinKi Kidsの堂本光一が担当しているコーナー“光一のドSでアドバイス”に挑戦。だが、岡本は「バイトに行く気分になれない」というリスナーのお便りに「行け!……行こ?」と、ちっともドSになりきれず、思わずスタッフからのツッコみが入ると「めちゃくちゃドSじゃなかった? “行け!”っすよ、人生で初めて言ったかもしれない」と、温和な性格がにじみ出る結果に。ほかにも、受験生から「喝入れてください」と言われると「やれ! お母さん喜ぶから……あ~ドSやな、“やれ!”だよ?」と大苦戦。「周りの目を気にしすぎない方法を教えて」というリスナーにも「自分らしくしろ! 上見上げてみ? 今日も素敵な空が見えるよ」と、ついつい優しさで包み込んでしまう。最終的に「あ~、こんな自分に喝入れてほしいですね」と言う岡本に、スタッフも大笑いだった。


 そんな岡本の様子を見ずとも「どうせヘタだったでしょ?」と笑う山田。そして「そこが圭人の良さ」とも。そんな岡本が、9月から海外留学し、Hey! Say! JUMPとしての活動を一時休止することを発表した。山田がこの放送で、直接その件について触れることはなかったが、「Hey! Say! JUMPも気づけば11年目で、Sexy Zoneがいて、King & Princeがいて、歴で言ったらキスマイのほうが先輩ですけど、デビュー日で言ったらJUMPの方が先輩っていうことで……なんやかんやで中堅の位置になったのか。頑張んなきゃですねー」という言葉に、岡本個人だけではなく、グループの転機として捉えている意気込みを感じた。それは、「圭人の良さ」を一番理解しているメンバーならではのエールなのかもしれない。


 「個人的なお仕事とかで、グループに貢献したい。特に今までしてないから……」とは、岡本が『いただきハイジャンプ』(フジテレビ系)で、こぼしていたホンネだ。これまでも雑誌などのインタビューで「圭人ってどんな人?」と聞かれても、ほかのメンバーがこれという強みがある中、自分については「優しい」としか答えられていないのが悩みだ、とも。ロケに挑む意気込みも「一番にメンバーを楽しませたい」という言葉が飛び出すほど。「家族以上に会ってる」という岡本にとって、Hey! Say! JUMPのメンバーは家族以上に家族なのだ。


 9歳で親元を離れて5年間イギリスへ留学。そして、帰国してすぐにHey! Say! JUMPに抜擢された岡本はデビュー当時、歌もダンスも日本語でのトークもままならないアイドルの“赤ちゃん”だった。幼いころからジャニーズJr.としてキャリアを積んできていたメンバーと共にデビューとなれば、未熟な部分は隠しきれない。そんな岡本をイチから育てたのはHey! Say! JUMPのメンバーだった。八乙女光が父親のように叱咤し、薮宏太は母親のように代わりに叱られた。高木雄也と伊野尾慧は年上の兄のように成長を信じて静かに見守り、有岡大貴と中島裕翔は年の近い兄のように同じ趣味を共有した。愛されキャラの知念侑李はペットのように距離を縮め、そして山田涼介は双子のようにプライベートでもほぼ一緒に過ごした。


 岡本圭人は優しい。だが、それ以上にHey! Say! JUMPは優しいファミリーだ。デビューから10年を経て、岡本は家族に甘えて過ごしてばかりではいられない、ともがいているのだろう。グループに守られる立場から貢献できる存在へ。そして留学を決めた岡本に、メンバーは「戻る場所はないというぐらいの覚悟を持って、学んできてほしい」と激励した。それは家を飛び出す息子に、家族が贈る愛ある喝に近い。山田がラジオで「圭人がドSに? それは無理だよ。そういうのは僕の方が合ってるでしょうね」と話したように、これこそベストなドSアドバイス。岡本が作曲し、9人で作詞した楽曲「H.our Time」には、こんな一節がある。〈未来の僕らは 変わらず親しい仲で/誇りをもてる 君がいるから〉。岡本のこの決断が、彼らの誇れる未来への一歩となることを心から願い、そして応援したい。


※高木雄也の「高」はハシゴダカが正式表記。(文=佐藤結衣)