この前、混雑した車内で、立ったまま器用にソーシャルゲームを操作している20代後半ぐらいの男性を見つけた。他にすることもない手前、男性がガチャをやりまくる一部始終を眺めていた。
すると、毎回の結果に男性は一喜一憂。恐らく有料ガチャだったと思うが、1回300円ぐらいが相場だとすると、軽く1万円分以上はぶん回していたと思う。
ソシャゲへの課金って、目当てのカードを引くまでは追いかけてしまうのが人の性というものなんだろうな。(文:松本ミゾレ)
100万使う価値「あるわけねーじゃん」 分かっていてもガチャが止まらない
先日、5ちゃんねるに「ソシャゲでカード破産寸前まで行ったけど質問ある?」というスレッドが立った。スレ主曰く、そのソシャゲとはシャドバ、「シャドウバース」というオンラインカードゲームのことであった。
僕はこのゲームを良く知らないけれど、カード破産寸前まで追い込むとは、なかなか熱中しがいのあるゲームなのだろう。スレ主は、少なくとも100万は注ぎ込んでいるという。
このスレ主の一連の発言、ソシャゲ依存に陥っているとよく分かるものが多い。「クレカは怖いね。いくら使ったか実感なくなるもんね」とこれまでに費やした金額におののいたかと思えば、直後には
「新しいパックが出るからまた課金する予定」
と更なる投資のお約束。他のネットユーザーに「100万使う価値があると思ってる?」と問われれば「あるわけねーじゃん。ギャンブル依存症と同じ病気だよ」と回答している。
自分がソシャゲ沼にどっぷり浸かっている自覚はあるらしい。こうなると逆に厄介だ。状況を把握しても悲観せず、沼から脱却する気配は見えない。このままだと課金がエスカレートし続けるのは明白だ。
どんなレアカードもいつか消えるデータ 本当に大金注ぎ込んでいいの?
ソシャゲってこれまでも社会問題になってきた。たとえばコンプガチャ商法。課金するごとにランダムに排出されるカードを全て集めると、コンプリート特典として強力なカードが手に入るというアレだ。
2012年に消費者庁はこの商法を景品表示法違反とみなし、注意喚起を行った。これを受けて当時隆盛を極めていたGREEなどが配信していたソシャゲでは、一斉にコンプガチャの展開を取りやめている。
無尽蔵に課金を煽るやり口は鳴りを潜め、以前よりは課金煽りも少なくなっているように見える。が、パチンコ・パチスロが出玉性能を下げても、借金をしてでも朝っぱらから並ぶ人が大勢いるように、ソシャゲに没入しまくっているユーザーは後を絶たない。
厄介なのは、ソシャゲ依存症の本人らも、お金を注ぎ込んで得られるカードを「ただの絵」と理解しつつ、イベントのたびに課金を我慢できないこと。そして課金ができなかったり、目当てのカードが得られなかったりしたときのイライラを抑えられないことだ。
スレ主の場合、シャドバには毎月、最低15万円の課金をしているという。15万円は大金だ。沼に足を取られた人に何を言っても効果がないとはわかっているけど、それにしても勿体ない。
だってソシャゲっていつかは終わるもん。いずれサービス終了するのは確実なのに、100万も200万も出していいの?どんなレアカードもただのデータ。手元に残るわけでもないんだし……。