2018年F1第8戦フランスGP決勝トップ10に入ったドライバーたちが日曜日を振り返った。
■メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 決勝=1位
建設的に自分を批判し、決意を新たに、やり方を一新してチャレンジし、その結果、成果を出すことができた。そういうときの気分は格別だ。ただ、1-2フィニッシュができる可能性がありながら、実現できなかったのは残念だ。チームとしての究極の目標だからね。
決勝中、マシンバランスはとても良かった。マックス(・フェルスタッペン)もいいペースで走っていたけれど、彼とのギャップを5秒程度に保つことができた。
ライバルたちはカナダで新型PUを投入していた。僕らは今回(アップグレード版の)フレッシュエンジンを導入したことで、彼らと同じ状態で戦うことができた。チームの皆は本当に頑張ってくれた。今日、自分たちの仕事の成果を見ることができて喜んでいるだろう。
でもシーズンは長い。今日と同じように、今後のレースにも立ち向かっていこう。
■アストンマーチン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=2位
このポール・リカールでの2位フィニッシュは、週末を迎えた時の予想を上回る結果だ。開放的なレイアウトのおかげで、あの混乱の中でも誰ともぶつからずにすみ、無事にターン2に到達した時にはホッとした。それ以降は、ただ自分のレースをマネージするだけで、特に難しいことはなかった。
ルイス(・ハミルトン)がペースをコントロールしているのは分かっていたが、こちらもさほど劣らないペースで走れたし、そのために激しくプッシュする必要もなかった。今日は戦略が見事に決まったと思う。ソフトタイヤは長持ちしそうな感じだったから、かなりいいペースで走ることができて、その分だけ終盤の戦いが楽になった。こうして2回連続でクリーンなレースをして、好成績をあげられたので、この流れを維持していくことが大切だ。
前回が3位、今回が2位だから、僕らに向いているサーキットではぜひとも優勝したい。モナコでは絶好のチャンスを逃してしまったけど、まだ良い機会は何度もあると思う。でも、決して得意ではないサーキットで、こうしてポイントを獲得できたことは、チームにとって大きなプラスになる。
フランスでレースができて良かったよ。あの有名な国歌を聞けたし、グランドスタンドには大勢の観客が入って、伝統的なヨーロッパのグランプリの雰囲気が感じられたからね。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=3位
スタートでふたつポジションを落とした。アウト側にいたら、ターン1でアクシデントが起きて、大混乱になった。巻き込まれないようにしようと思っていたのに、コースの間違った側に行ってしまった。
でもその後、挽回することができた。マシンの感触は良く、スーパーソフトタイヤに交換した後は特に良くなってきた。
レースを通して速さがあった。最初のタイヤセットで長いスティントを走るというプランだったが、タイヤはとてもよくもってくれた。終盤は少しだけ苦労したけどね。新しいタイヤに交換した後、マシンの調子はとても良くて、オーバーテイクすることもできた。ここ最近の2戦よりはずっと楽しかったよ。
■アストンマーチン・レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=4位
少しガッカリしていることは言うまでもない。ポディウムを逃したのは残念だ。4位より上に入ってもおかしくない速さがあったことは確かで、マックス(・フェルスタッペン)ともいいバトルができたはずだ。原因はまだ不明だが、レース中にフロントウイングにダメージを負っていたんだ。
ピットストップまでは、スーパーソフトでとてもいいペースで走れていた。ルイス(・ハミルトン)はメチャメチャ速かったから、彼と対等だったかどうかは分からないけど、キミ(・ライコネン)を徐々に引き離し、マックスに追いついているように思えた。ところが、ピットストップの2周ほど前に、フロントウイングの左側が壊れてしまった。すぐにアンダーステア傾向になったのを感じたよ。自然に壊れたのか、僕がデブリか何かをヒットしたのかは分からない。でも、とにかく破損していることは、ピットストップの時にメカニックが確認した。
そして、ピットストップの後、今度はフロントウイングの右側の同じ部分も壊れた。このダメージのおかげでダウンフォースを失い、クルマはアンダーステアになって、タイヤを傷めてしまった。レース終盤にはキミがあの勢いで迫ってきたし、ブルーフラッグのタイミングも最悪だったけど、いずれにせよこっちは手負いだったんだ。今日はかなりイケそうだっただけに残念だ。
明るい面を見るとすれば、まずまずのポイントを稼ぐことはできた。でも、4位より上に行ける速さがあったのは間違いない。とにかく不運だったね。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=5位
スタートはとても良かった。良すぎるほどだった。前のルイス(・ハミルトン)に追いつき、減速しようとしたが、グリップがなく、行き場もなかった。右側ではバルテリ(・ボッタス)がポジションを取り戻そうとしていたし、アウト側からはマックス(・フェルスタッペン)が上がってこようとしていた。
バルテリにとっては残念だった。彼は何も悪いことをしていない。僕らにとっても残念だ。僕らはもっと良い結果をつかめたはずなんだ。今日は幸いレースを続けることができて、マシンのパフォーマンスも良かった。ただ、結果は望んだものではなかった。
この件については僕に非がある。でも気持ちを切り替えて前を向き、来週末のことを考えよう。
(F1公式サイトのインタビューで語り)バルテリにとってはひどいレースになってしまった。レースの後、彼に会いに行ったよ。
僕のスタートがもっと悪ければよかったと思う。そうしたらもっとスムーズなレースになっただろう。ああいう状況には陥らなかったはずだ。でも結局は僕には他にどうすることもできなかった。故意にやったか? それはないよ。自分のレースも終わってしまうのだから。
■ハースF1チーム
ケビン・マグヌッセン 決勝=6位
いいレースができたし、クルマも良かった。今日は全てがうまく行ったよ。昨日の予選は期待はずれだったけど、本当にいいレースをして挽回できたことに心から満足している。決勝でいいところを見せられるポジションにいることは分かっていたし、今日は運にも恵まれた。
ウルトラソフトで走った最初のスティントでは、かなり苦戦を強いられた。リヤがオーバーヒートして滑りまくっていたんだ。どういうわけか、フロントタイヤはとても良く機能していたのに、リヤタイヤに問題があった。ただ、バランスが悪いにもかかわらず、デグラデーションはほとんど感じられなかった。そして、ソフトに履き替えてからは、もう少しうまくタイヤを使えるようになった。ちょうど(バルテリ・)ボッタスにプレッシャーをかけられていたので、真剣にプッシュし始めたらタイヤのスイッチが入って、コンマ4秒からコンマ5秒も速くなったんだ。まさにそれを必要としていたタイミングでね。
■メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ
バルテリ・ボッタス 決勝=7位
今日のルイス(・ハミルトン)の結果を見れば分かるように、僕らのマシンは強力だった。だからこそ、この結果は残念だ。僕のレースは(スタート直後の)ターン1で終わってしまった。
アウト側からターン1に入っていき、そのラインを維持していけばターン2ではイン側に入れることは分かっていた。でも突然、後ろから(セバスチャン・ベッテルに)ヒットされ、タイヤがパンクし、フロアがダメージを負った。損傷は大きく、リヤエンドのグリップが低下し、その後のレースでずっと苦労することになった。スライドしまくっていて、2回目のピットストップが必要になり、ついてないことに、そのピットストップで時間がかかってしまい、さらに遅れをとった。
今日はついてなかった。ある意味、今シーズンの僕を象徴するかのようだ。それでもポジティブな要素もある。チーム全体のパフォーマンスは強力だったんだ。それをポイント上、完璧な結果につなげることができなかったのが残念だけどね。それから、マシンの状態が悪かったにもかかわらず、ファステストラップを記録することもできた。
これからも地道に努力し続けていく。そうすればいずれは運も向いてくるはずだ。それは時間の問題だと信じている。
(Crash.netに語り)今日はすべてがうまくいかなかった。マシンが大きなダメージを負ったことで、順位を上げていくことが難しくなった。タイヤがパンクした影響でフロアがダメージを受け、すごく走りづらくなった。ダウンフォースが低下し、速いペースで走れなかった。ポイント圏内まで戻れたのはよかったけれど。
(2回目のピットストップでは)リヤの方で問題があったようで、すごく時間がかかった。終盤(ケビン・)マグヌッセンのすぐ後ろまで近づいていたから、それ(ピットストップのトラブル)がなければ、あとひとつ順位を上げられたかもしれない。
今は、笑うべきか泣くべきか分からない。笑った方がいいんだろうね。でも、今の段階では前向きに考えることができない。明日になればだいじょうぶだと思うけど。
■ルノー・スポール・フォーミュラワン・チーム
カルロス・サインツJr. 決勝=8位
あんなふうにフィニッシュを迎えることになって悔しい。最初から最後まで、すごくいい週末になりそうだったのに……。
予選ラップがうまく決まって、クリーンなスタートを切り、序盤はトップ3を走れたし、その後はペースをコントロールしながら6番手をキープしていた。全体にペースが上がったレース後半も、うまくその位置を守っていながら、突然(MGU-Kの)トラブルに見舞われて1周2~3秒も遅くなってしまったんだ。本当に残念で、チームのみんなにもすまないと思う。今日はトップ3チーム以外の最上位でフィニッシュできるはずだったのだから。
でも、こういうことも起きるのがレースというもので、僕にとってはこれが今年初のマシントラブルだった。もう前だけを見て、オーストリアに向けての準備を始めるよ。
■ルノー・スポール・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=9位
今日はいいレースができた。いくつか順位を上げて、ポイント圏内でフィニッシュできたことに満足している。1周目はスゴいことになって、とにかく生き残ることが大事だった。あちこちで大混乱が起きていたからね。
予選が良くなかったこともあって、今日は9位より上の成績は望めなかったと思う。でも、コース上では何度かオーバーテイクもできて楽しかったし、少しはレースをエンジョイできたよ。カルロス(・サインツJr.)はいい成績を狙えそうだったのに、6位を逃す結果になって残念だ。あのまま行けば、チームとしてもだいぶポイントを稼げたのにね。でも全体としては、ふたりでコンストラクターズ選手権のポイントを追加できたのだから、それほど悪くはなかったと思う。
■アルファロメオ・ザウバーF1チーム
シャルル・ルクレール 決勝=10位
全体として、この週末の結果には満足だ。土曜日には予選で素晴らしい成績を残せたし、クルマを完全に信頼してドライブできた。今日のレースで、チームのためにまた1ポイントを獲得できてうれしいよ。
ドライブするのが楽しかったし、周囲のドライバーたちと何度かいいバトルができた。僕らはポジティブな方向へ進んでいて、週末ごとにパフォーマンスが向上している。次の週末にはどこまで行けるか、本当に楽しみだよ。