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WRC:伝統のサファリラリーがプロモーション契約を締結。2020年のカレンダー復活に一歩前進

2018年06月25日 17:11  AUTOSPORT web

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2002年までWRCに組み込まれていたサファリラリーが2020年のカレンダー復帰へプロモーション契約を締結
東アフリカのケニアを舞台に争われる伝統的ラリーイベントのサファリラリーが、2020年のWRC世界ラリー選手権カレンダー入りに向けてWRCプロモーターとプロモーション契約を交わした。

 サファリラリーは1953年に初開催された歴史あるイベントで、2002年まではWRCの1戦に組み込まれていた。多くのマニュファクチャラーがシリーズチャンピオン獲得と同等の重要度で捉えるなど、カレンダーのなかでも大きな位置を占めていたラリーだ。

 しかし、政府の資金援助が途絶えたことで2002年を区切りにWRCからカレンダー落ち。以降は国内選手権の1戦として行われてきたが、2016年11月には2019年のWRC復帰を目指していると報じられるなど、WRC復活へ向けた活動を進めていた。

 WRC公式サイト『WRC.com』によれば、6月21日にWRCプロモーターのオリバー・シースラと、ケニアのスポーツ省首席秘書官やWRCサファリラリーのプロジェクトリーダーが会談。この場でプロモーション契約にサインを交わした。

 今後、サファリラリーはWRC復帰に向けて、2019年3~4月にキャンディデートイベント(WRC本戦を想定した予行イベント)を開催。ここでFIAやWRCプロモーター、WRC参戦チームの代表者による視察が行われる。

 視察を経て、WRC開催に求められる安全水準、開催基準を満たしていると判断された場合、サファリラリーは2020年から2022年までの3年間の開催契約を結ぶという。

 シースラは「今回の合意は我々が伝統的イベントをカレンダーに復帰させたい、10年以上途絶えていたアフリカ圏でのトップクラスラリー開催を復活させたいという意思の表れだ」と語る。

「WRCにアフリカ圏での開催を復活させること、ファンの間でも神話的に語り継がれているイベントを復帰させることは、WRCのカレンダーを構成する上で長年に渡り鍵となっていた要素だ」

「真にグローバルなチャンピオンシップでは、世界で2番目に大きい大陸を無視することはできない。ケニア政府はサファリラリーに栄光をもたらすべく、かなり力を注いでいる」

「復活するサファリラリーは現代的なフォーマットに進化する。過去のようなスタイルではなく、現代的なスペシャルステージ形式で争うことになるんだ。我々も現在のWRCフォーマット、運営方法にマッチするよう支援を行う」

「フォーマットが変わるからといって、サファリラリーが持つチャレンジ性が失われるわけではない。ケニアのグラベル(未舗装路)は(参加者に)多くのものを要求するだろうし、アフリカ大陸の自然や景色は人々の心を打つはずだ」