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ホンダCB1000Rの中間加速性能はCBRを凌ぐハイパフォーマンス/市販車試乗レポート

2018年06月25日 14:12  AUTOSPORT web

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中間加速性能はCBRを凌ぐパフォーマンスを発揮するホンダCB1000R
ホンダが満を持して新開発したスーパーネイキッド。そのフラッグシップであるCB1000Rは、新世代CBシリーズに相応しい魅力ある仕上がりを誇っている。

 CB1000Rのデビューは2017年のミラノショー(EICMA)、国内発売は今春4月からで価格は税込みで163万6200円。決して安くはない。しかし、そのデザインと仕上がりを見ていると、十分に納得できるリーズナブルな価格に思えてくるから不思議だ。

『Neo Sports Cafe Concept』を基に製品化したCB1000Rは、マスの集中化や車体の軽量化が徹底されていた。スポーツ性を高め、スロットル・バイ・ワイヤーシステムの採用で四つの走行モードが選択可能。スリッピーなウェット路面の街中でも穏やかに安心して走れ、郊外を快適に、サーキットではエキサイティングにと言うメリハリの利いた出力特性と乗り味の違いが楽しめる。

 搭載エンジンはSC80E型と呼ばれる水冷DOHC4バルブの直列4気筒。従来の製品開発ならレプリカ系スーパースポーツモデルCBR1000RRのエンジン(SC77E型)をそのまま流用してくる手法も考えられたハズだが、今回のCBではあくまでもスーパーネイキッドとして独自のハイパフォーマンスが追求された専用エンジンを搭載。ボア・ストロークを始め、圧縮比、出力特性そして6 速のトランスミッションを含むレシオまで専用アレンジのコダワリを魅せてくれたのだ。

 マスの集中化をテーマにした塊感のある迫力の外観デザインや、細部まで手の込んだ上質な仕上げも含めこれまで続いてきたCBシリーズとはまた異なる突き抜けた雰囲気。ネイキッドながらも極めてエキサイディングな乗り味が期待できる所に斬新な魅力を覚える。長年バイクを乗り込んで来た大人のベテランライダーをも、ワクワクさせられる躍動感に満ちていたのである。

 早速試乗すると、若干腰高で上体が微前傾となるライディングポジションがピタリと決まる。下半身とバランスのとれたスポーティーな乗り味と共に通常走行の快適性もカバーされていて好感触。なかなか心地よい。

 発進時に気づかぬ程度にアイドルを高めてくれるアシストや、クラッチミート後のスムーズな回転フィーリングはとてもジェントルだ。しかし7000回転を超える領域で発揮されるポテンシャルは凄まじい。

 実際、市街地レベルを含む中間加速性能ではCBR1000RRのそれを凌ぐハイパフォーマンスを発揮できるのだ。本気を出せば何時でも強烈なパンチ力を炸裂させることができる。特に7000回転前後のレスポンスは胸のすく思いがする。軽妙に身をひるがえすハンドリングの素直さも絶妙。サスペンションの作動性はいかにも良い仕事振りを披露してくれ動きは抜群だ。扱いやすく強力なブレーキ性能もしかり。

 CBというブランドに込めたホンダの最先端アイテムの頂点に君臨。色々な意味でエキサイティングな時間を楽しめる贅沢な1台と見て間違いない。