6月24日現地時間午後4時10分、フランスGP決勝が行なわれた。朝から好天に恵まれていたが次第に雲が多くなり、午後5時以降は降水確率が高い予報もある中での決勝スタートとなった。ブレンドン・ハートレーは金曜夜のパワーユニット交換により最後尾グリッドスタートとなり、18番手以下がひとつずつ繰り上がっているが、それ以外に変動はない。
上位ではメルセデスAMGとレッドブル、11番手以下ではピエール・ガスリー、マーカス・エリクソン、マクラーレン勢がスーパーソフトを、ニコ・ヒュルケンベルグとセルジオ・ペレスがソフトをスタートタイヤに選んだ。タイヤのデグラデーションは極めて小さく、ドライならば1ストップのレースとなる。
スタート直後のターン1で3番手セバスチャン・ベッテルが2番手バルテリ・ボッタスの左リヤに接触し、ボッタスはスピンしてパンク。ベッテルはフロントウイングにダメージを負ってともに最後方への後退とピットストップを余儀なくされる。
これでターン1~2をショートカットするマシンが多く、後方ではやや混乱した状態のままターン3へアプローチ。ここでインをついたガスリーとアウトから入ってきたオコンが接触し、両者ともにここでリタイアとなった。
この接触でセーフティカーが導入され、ウイリアムズ勢、フェルナンド・アロンソはピットインをしてソフトタイヤに換え最後まで走り切る作戦に。ボッタスとベッテルも最後尾から同様の作戦をとった。ハートレーも同様の戦略を検討したが、ステイアウトでプランAのまま行く。
レースは6周目に再開となり、上位は首位ハミルトン、2番手フェルスタッペン、3番手にはカルロス・サインツJr.、4番手ダニエル・リカルド、5番手ケビン・マグヌッセン、6番手シャルル・ルクレールという上位の顔ぶれとなった。後方から追い上げるベッテルはターン4でアロンソに接触しスピンさせてしまう。
9周目、リカルドがターン8でサインツを抜いて3番手に浮上、ライコネンもこれに続いて4番手に上がる。ベッテルとボッタスは中団勢を次々にパスしていく。ベッテルはハミルトンから1ストップ分の20秒以内に留まろうとトライするが、スタート時のターン1の接触に対して5秒加算ペナルティを科されてしまう。
彼らを前に行かせたハートレーも続いてエリクソンをパスし14番手を走行する。ハミルトンは15周目を過ぎたあたりからペースアップしてファステストラップを連発し、2番手フェルスタッペンは首位ハミルトンが5秒、リカルドは8秒とじわじわと離されていく。
25周目に2番手フェルスタッペンがピットインすると26周目に5番手サインツ、28周目に3番手リカルドがピットインするが、ハミルトンは依然として好ペースを維持して走り続ける。ハミルトンは33周目にピットインして直後にライコネンもピットインしハミルトンが再び首位に戻る。
ペースが振るわないボッタスは39周目にピットインして新品スーパーソフトに交換しプッシュする作戦に切り替えた。これを見て同じようにペース不足に苦しみながらもボッタスの位置を気にしてステイアウトしていたベッテルも翌周ピットインして中古ウルトラソフトを履く。
2台はハイペースで中団勢を追いかけていく。スーパーソフトを履いたため好ペースを維持していたライコネンは47周目のバックストレートでリカルドを捕らえてパスし3番手に浮上してみせた。
残り4周の時点で6番手を走っていたサインツがパワーユニットに問題を抱えてパワーが低下。背後に迫ったマグヌッセンとボッタスが簡単にパスして6番手・7番手に浮上する。その直後、ターン10でランス・ストロールの左フロントタイヤにデラミネーションが発生しフロントウイングを叩いて壊しデブリが散らばったためVSCとなる。
最終ラップのターン6でVSC解除となったが結局そのままチェッカードフラッグを迎え、ハミルトンが28年ぶり開催のポール・リカール初制覇。フェルスタッペンが2位、ライコネンが3位という表彰台となった。
リカルドはフロントウイングにダメージがあったためペースが低下し4位、ベッテルは5位まで挽回したが、ボッタスはVSCの影響もありマグヌッセンを抜ききれず7位、サインツは8位でレースを終えた。ヒュルケンベルグが9位、予選で好走を見せたルクレールは10位で1ポイントを獲得、ハートレーは14位でフィニッシュとなった。