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GENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICS……ライブ経験を重ねて成長するJr.EXILEたち

2018年06月23日 11:41  リアルサウンド

リアルサウンド

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 EXILEがいよいよ本格的に再始動するーー。5月24日に幕張メッセにて開催されたEXILE THE SECOND『EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2017-2018 “ROUTE 6・6″』のファイナル公演に、EXILEがサプライズ出演したことは、ファンたちを大いに歓喜させた。6カ月連続配信企画「EXILE FRIDAY」を展開中のEXILEはこの後、3年ぶりのドームツアー『EXILE LIVE TOUR 2018-19 “STAR OF WISH”』の開幕を9月15日に控えている。EXILEの活動休止中も、EXILE THE SECONDを始めとしたEXILE TRIBEの各グループが、“EXILE魂”を胸にライブを中心とした様々な活動を続けてきたことを、ファンたちは知っている。LDHの社名にもある「Love,Dream,Happiness」のもと、メンバー同士、グループ同士で同じ志を持ち切磋琢磨できるところにこそ、彼らの真の強さがある。


 その“EXILE魂”を継承する次世代グループも、続々と育っている。GENERATIONS from EXILE TRIBE、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE、FANTASTICSだ。欧米では、偉大な父の跡を継ぐという意味を込めて、息子に同名で「Jr.」と付けるように、彼らは「Jr.EXILE」とも呼ばれている。今の華やかさからは想像し難いかもしれないが、EXILEはもともとアンダーグラウンドで地道に踊り、ライブを重ねてここまで登りつめたグループである。そんなEXILEに憧れ、EXILEのようになることを夢見てダンスを始めた世代である「Jr.EXILE」たちは、その精神を受け継ぎ、いま、それぞれに精力的なライブ活動を行なっているのだ。


GENERATIONS from EXILE TRIBE


 GENERATIONSは、現在、初のドームツアー『GENERATIONS LIVE TOUR 2018 “UNITED JOURNEY”』を開催中だ。


 中性的で甘い歌声が魅力的な片寄涼太、ファルセットで聴かせる数原龍友という歌唱力の高いボーカリストのみならず、個性豊かなパフォーマーたちも特筆すべきだろう。幼少期からKRUMPの大御所チーム・Twiggz famに所属するクランパー、佐野玲於、フットワーカーの小森隼に加え、EXILEのメンバーであり、佐野と同じくクランパーの関口メンディーも恵まれた体格を生かし、切れ味の良いダンスを見せてくれる。また、甘いマスクを持ち、もともと劇団EXILEに所属していた白濱亜嵐は、ひときわ表現力豊かで、時にはDJも披露。そして、2012年から加入した中務裕太は多くの振り付けを手がけ、GENERATIONSのダンスパフォーマンスを牽引している。


 メンバーにより得意とするジャンルが異なるからこそ、表現の幅も広く、ドームクラスに挑戦できるほどの人気を得ているのだろう。彼らはこれまでホール、アリーナクラスでのライブを重ね、海外での公演にも挑戦するなど、歌とダンスの実力をさらに磨いてきた。Jr.EXILE世代を牽引するGENERATIONS。ドームツアーを経て、いよいよ先輩グループに匹敵するほどの支持を得ていきそうだ。


THE RAMPAGE from EXILE TRIBE


 EXILE TRIBEの中でも、16人というメンバー数の多さが特徴的なTHE RAMPAGEは、現在47都道府県を回るホールツアー『GO ON THE RAMPAGE』を開催している。デビュー1年目から単独ツアーを行うことすら驚きだが、“47都道府県を回る”というのは、数字として非常に分かりやすく、そしてハードだ。デビュー前の『武者修行2016』でも47都道府県でライブを行ってきたTHE RAMPAGEのパフォーマンスのクオリティは格段に上がっている。


 筆者はツアー『GO ON THE RAMPAGE』で実際にライブを観た際、16人の群舞に圧倒され、ポテンシャルの高さを感じた。メンバーのLIKIYAは「先輩方の意思はしっかりと受け継いで、なおかつ自分たちの世代ならではの個性を打ち出していければ」とインタビュー(参考:THE RAMPAGEが語る、グループの音楽性と現在地「EXILE TRIBEの一員であることを改めて意識した」)で語っていたが、彼らの“個性”は公演を重ねるごとに強まっているようだ。ホールツアーを通じて、大きく飛躍するだろう彼らの成長をしっかりと見守りたい。


FANTASTICS


 2016年、EXILEメンバーでも新メンバー組である世界、佐藤大樹を中心に結成されたFANTASTICSは、2017年に『武者修行』を終え、オーディションで約3万人の中から選出されたボーカルの八木勇征、中島颯太が加入。2018年に入り、パフォーマーの中尾翔太が胃がんの療養のため活動を一時休止するも、EXILE HIROが「全力でサポートしていく」と表明し、5月にリリースされたEXILEの配信シングル「Turn Back Time feat. FANTASTICS」でもエールを送っている。


 現在はメジャーデビューを目指し、現在は中尾を除く8人で『夢者修行 FANTASTIC 9』を回っている。この全国各地でフリーライブを行う『夢者修行(武者修行)』こそEXILE TRIBEの伝統であり、かつては二代目J Soul Brothersなども取り組んできた。これはもちろん母体となるEXILEがかつてアンダーグラウンドでライブを重ね、全国各地を回ってきたという経験から生まれたものだ。『夢者修行 FANTASTIC 9』は9人の絆を確固たるものにし、パフォーマンス面も大きく成長させることだろう。


 HIROはJ Soul Brothersとしてデビューした直後、1年間に100日、あらゆるステージに立っていたことを著書『Bボーイサラリーマン』に記している。


「呼ばれればどこへでも行った。地方のショッピングセンターの特設ステージにだって喜んで立った。(中略)混雑したショッピングセンターで、まばらな拍手に頭を下げながら、ステージで踊るとどんな気持ちがするかは、経験しなきゃ分からないかもしれない」


「俺は覚悟を決めていたし、モノは考えようだとも思った。アイスクリームで口の周りをベタベタにして、ぼーっと俺たちを見上げているあの子が、いつの日か俺たちのファンになってくれないとも限らないじゃないか」


 アンダーグラウンドシーンで人気、実力ともに群を抜いていたMATSU(松本利夫)、ÜSA、MAKIDAIは、そうした状況でも文句のひとつも言わず、夢を叶える為に懸命に踊っていたそうだ。こうした経験があってこそ、今のEXILE、そしてEXILE TRIBEがあるのだろう。全国を回り、一人ひとりの観客と向き合い、楽しんでもらうために全力でライブを行うことの大切さを、彼らは骨身に沁みて知っているのだ。HIROたちのライブにかける強い想いは、今なお、Jr.EXILEたちに受け継がれている。(村上夏菜)