2018年F1フランスGPの金曜、レッドブル・トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーはフリー走行1=8番手/2=10番手、ブレンドン・ハートレーはフリー走行1=15番手/2=15番手だった。
FP1ではガスリーが序盤40分しか使用できないタイヤを3分弱多く使ったことで、執行猶予付きで1万ユーロの罰金というペナルティが科された。これはガレージの電源が落ちるというトラブルがあり、そのため走行中のガスリーに連絡して呼び戻すことができなかったために起きたことだった。
FP2終盤にハートレーはパワーユニット関連の問題によりマシンをストップ。現地金曜の時点で公式には原因など詳細は明らかにされていない。ハートレーは現時点でパワーユニットのすべてのエレメントをシーズン内の最大基数まで使用しており、新たなエレメントを導入する場合はグリッド降格ペナルティを受けなければならない。
■レッドブル・トロロッソ・ホンダ
チーフレースエンジニア ジョナサン・エドルズ
F1カレンダーに新しく加わったサーキットに来ると気分が高揚する。10年ぶりにフランスに戻ってくることができてうれしい。新しいサーキットなので、ファエンツァ、ビスター、ミルトン・キーンズ、さくらの各ファクトリーでの入念な準備が必要だった。その作業が全体的に報われたと思う。
午前のセッションの最初のランで、シミュレーションと実際のサーキットの違いにより、最適なエネルギーマネジメントを行えず、時間を少しロスした。最初の40分の間にコースに復帰することができたが、ガレージで電源が落ちてしまい、テレメトリーやタイム測定器はもちろん、無線も使うことができなくなった。そのために最初の40分の終わりが近づいてきても、ドライバーにピットに戻るように伝えることができなかった。ブレンドンは運よく戻ってきたが、ピエールはタイムアタックに集中しているところだったため、戻ることができず、40分用タイヤの規則を破ることになってしまった。
それ以降は多くの周回をこなし、普段よりも多くのプログラムを行うことができて、いいセッションになった。事前にシミュレーションを数多く行ったが、実際のサーキットではトラック温度や風など、さまざまな違いがあった。したがって、FP1は最適なバランスを探ることに注力した。FP2ではマシンのさらなる改善を目指したが、風向きが午前から180度変わり、向かい風が追い風になったために、バランスが完全に変わってしまった。しかし、日曜にも同じような風が吹くことが予想されるので、FP2で決勝に近いコンディションで走ることができたことはよかったと思う。
使用タイヤについては、ブレンドンは3種類のタイヤのうち、ハード寄りのタイヤでロングランを担当した。そのため、予選を想定した最初のランをハード寄りのタイヤで行うことになり、マシンのポテンシャルを最大限に出し切ることができなかった。一方のピエールは、基本走行をスーパーソフトタイヤで行い、ウルトラソフトに履き替えるという流れで走り、マシンの力をより引き出すことができ、いいラップタイムを記録した。
セッション終盤、ブレンドンのPUに問題が発生し、彼は走行を切り上げなければならなかった。その問題については詳細にわたる調査を行っているところだ。彼はソフトタイヤで走り始めたところだったので、ソフトへの理解を十分に深めることができないまま決勝に臨むことになる。タイヤの情報の面で多少影響を受けるだろうが、それほど大きな問題にはならないと思っている。今日のデータを分析し、日曜に向けて最善の戦略を用意したい。