FP2セッションの始まる前、FIAはピットレーン通過速度を時速80kmから、モナコやメルボルン並みの60kmに下げる措置を発表した。
ピットレーンが通常のサーキットに比べてかなり狭く、FP1でもガレージから出ようとして曲がり切れず止まってしまったキミ・ライコネンに、ハースやウイリアムズがあわや衝突、というシーンもあった。カメラマンもこのセッションから、ピットロード外側の芝生からしか撮影できなくなってしまった。
午後4時からのFP2は、雲ひとつない快晴の下始まった。気温は29℃、路面温度も51℃まで上昇している。風向きは真逆。FP1でスピンが頻発したターン6は、向かい風になった。
路面温度が高いせいか、序盤はFP1より2秒以上遅いペースに。そんな中、フェルスタッペンがスーパーソフトで1分34秒595のトップタイムを出すが、直後にソフトを履いたボッタスがコンマ4秒以上も差を付けて首位に立った。その後、ルイス・ハミルトンがスーパーソフトでチームメイトをコンマ24秒しのぎ、さらにタイムを更新して行く。
中団勢ではトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが安定した早さを刻み、開始後40分過ぎには1分34秒535の自己ベストで、マックス・フェルスタッペンやライコネンをしのぐ5番手に付けた。
その直後、セルジオ・ペレスがターン7のインに付いた瞬間に左リヤタイヤが脱落。ガレージでの取り付けミスと思われる。これでセッションは、9分間の赤旗中断。
再開後はハミルトンがさらにペースを延ばし、2番手に立ったダニエル・リカルドにコンマ7秒強の差を付けた。その一方バルテリ・ボッタスはマシンがジャッキアップされ、フロアを外して冷却系の確認を始めた。すぐに走り出せる気配はない。最終的に水漏れが見つかり、ボッタスはわずか7周でセッションを終えている。
終了10分前には、順調にロングランを続けていたブレンドン・ハートレーが、ターン8でスロー走行。そのままマシンをコース脇に止めた。「エンジン音がおかしい」と言っており、パワーユニット由来のトラブルの可能性もある。
フランスGP初日は、両セッションともハミルトンがトップ。対照的に選手権を激しく争うセバスチャン・ベッテルは5番手と、例によってひたすらレースに向けての煮詰めに集中していた。