ザウバーからF1デビューを果たし、コンスタントに入賞を重ねるシャルル・ルクレールが、2019年のフェラーリに移籍するのではと報道されている。それを書いたのがフェラーリの内部事情に詳しいイタリア人ジャーナリストだったことから、かなり信憑性は高いという声も聞こえる。一方でフェラーリは伝統的に、実績のない若手は滅多に抜擢しない。
その数少ない例が2006年のフェリペ・マッサだったが、彼自身はタイトルを獲得できず、その後はフェルナンド・アロンソ、キミ・ライコネン、セバスチャン・ベッテルと、チャンピオン経験者の起用が続いた。
その意味で新人ルクレールがもしフェラーリ入りすれば、画期的な事といえる。そしてその可能性は、かなり高いといっていい。
来季のフェラーリ入り最右翼は、今季でレッドブルとの契約が切れるダニエル・リカルドということになっている。
本人も移籍の意思を隠していない。しかし最新の情報によれば、フェラーリ側からリカルドに交渉打ち切りを示したという。その最大の理由は、やはりというべきか、レッドブル時代にリカルドにどうしてもかなわなかったベッテルが、強く拒否したからとのことだ。
リカルドにはマクラーレンから20億円以上とも言われる超高額オファーの噂もあるが、1年でも早くタイトルを獲りたいリカルドがあえてマクラーレンに移るとは思えない。このまま行けば、レッドブル残留は確実と見ていいだろう。
となればルクレールのフェラーリ入りは、ほぼ決まりと考えていい。ただしライコネンの現役続行の意思は依然として強く、そしてこの世界での彼のサバイバル能力は群を抜いている。
これまでもセルジオ・マルキオンネCEOから何度もダメを出され、シーズン終了後の更迭が確実視されながら、ベッテルの援護射撃もあって、ここまで生き延びている。今回、その繰り返しが起きないとは、断言できない。
一方でフェラーリは、スタードライバーを渇望している。ベッテルは確かに超一流だが、「彼が勝ってもティフォシたちは盛り上がらない」と、あるイタリア人記者は言う。
「全盛期のライコネンはすごい人気だったが、今の彼はもうキャリアの終わりだ。ティフォシたちの第1希望は、リカルドだった。しかしそれがだめでも、ルクレールは将来性とスター性を十分に持っている。現状では、ベストの選択だよ」