自民党の穴見陽一衆院議員が、6月15日の衆院厚生労働委員会中、参考人として出席した肺がん患者に、「いい加減にしろ」とヤジを飛ばす一幕があった。
バズフィードが21日に報じたところによると、委員会では受動喫煙防止対策のために、健康増進法改正案の審議が行われていた。議員の発言は、日本肺がん患者連絡会理事長の長谷川一男さんが意見を述べている最中にあったという。
発言を受け、日本禁煙学会は6月22日、穴見議員に21日付けで抗議文を送ったことをサイト上で明らかにした。
「非喫煙者の訴えを『喫煙者を必要以上に差別』と言うのは誤った認識に基づく居直り」
抗議文では、
「長谷川さんは受動喫煙によって肺がんを発症し、現在Stage4という重症の方です。その方が、死ぬような思いで、発言をされている中、なんという心ない言葉を浴びせるのでしょうか」
と、ヤジそのものを批判。また、穴見議員が出した「喫煙者を必要以上に差別すべきではないという思いでつぶやいたものだ」という釈明についても、
「受動喫煙は、非喫煙者の命にかかわる問題です。受動喫煙をしっかり防止して非喫煙者の命と健康を守ってほしいとの切実な訴えを、『喫煙者を必要以上に差別』するものだと論難することは『釈明』ではなく、誤った認識に基づく居直りにすぎません」
と断言した。「厚生行政の基本もわきまえない人物を厚生労働委員とした自由民主党にも強く抗議いたします」と、党の責任についても言及していた。
穴見議員のFBは炎上状態「近場にジョイフルがあったら絶対行かない」
穴見議員は、自身のフェイスブックに、発言に関する謝罪文を掲載している。
「この度、去る6月15日に行われた衆議院厚生労働委員会において、参考人のご意見の際、私が『いい加減にしろ』といったヤジを飛ばしたという報道がありました」
「まずは参考人の方はもとより、ご関係の皆様に不快な思いを与えたとすれば、心からの反省と共に深くお詫び申し上げる次第でございます。もちろん、参考人のご発言を妨害するような意図は全くなく、喫煙者を必要以上に差別すべきではないという想いで呟いたものです」
「とはいえ、今後、十分に注意して参りたいと存じます。この度は誠に申し訳ありませんでした」
しかし、コメント欄は、議員の発言や謝罪文の内容を非難する声で溢れている。
「この釈明自体が参考人を貶めています。何度バカにすれば気がすむのですか
「『~~したとすればお詫びします』というのは、真に謝罪したことになっていません。むしろ責任転嫁です」
穴見議員は、九州を中心に展開するファミリーレストランチェーン「ジョイフル」の相談役を務めていることもあり、コメントには
「近場にジョイフルはありませんが、もしあったら、絶対に入りません」
といった内容のものも散見されている。