ポルシェAGは6月20日、クロアチアの電動ハイパーカーメーカーであるリマック・アウトモビリの株式を10%取得したと発表。また、電気自動車開発での協力も視野に入れているという。
リマック・アウトモビリは2009年にマテ・リマック氏が立ち上げた新興メーカーで、速さや目を引くスタイリングを兼ね備えた魅力的な電動スポーツカーを製造すると標榜しており、2011年には最高出力1224馬力というコンセプトモデル『Concept_One』を発表している。
また、同社は2018年のジュネーブモーターショーで最新のEVハイパーカー『C Two』も発表。このC Twoは各車輪に1基ずつ電動モーターを搭載しており、合計の出力は1408kW/1914馬力という驚異的な数値を誇る。
フルカーボンモノコックを採用しているため車重は1950kgと軽量。最高時速は412km、停止状態から時速100kmまでは1.97秒で到達するモンスターマシンだ。
そんなリマック社に出資するポルシェは2015年にフランクフルトモーターショーで初公開した電気自動車『ミッションE』を2019年に市販するべく開発を続けている最中。先日には正式名称を『Taycan(タイカン)』とするとアナウンスしたばかりだ。
「Concept_OneやC Twoのような2シーターのピュアEVスポーツカーを車両の基礎技術も含めて開発しているリマックは、電動モビリティ界で存在感を示している」と語るのはポルシェの財務・IT担当取締役会副会長のルッツ・メシュケ氏。
「リマックのアイデアや、それに対する取り組み方は素晴らしい。だからこそ、開発で協力関係を敷くべく、緊密な関係を築きたいと考えた」
また、リマックのマテ・リマックCEOも「今回のパートナーシップは、我が社が電動化を目指す企業に向けたコンポーネントサプライヤーとなるための重要な一歩だ」とコメントしている。
ポルシェは電動フォーミュラで争われるABBフォーミュラE選手権へ2019年末からワークス参戦する予定で、リマックとの協力関係が深まれば、同社の技術がフォーミュラEで活用される可能性もありそうだ。