アウディAGとヒュンダイ・モーターグループは6月20日、燃料電池の開発で協力関係を構築することで合意したと発表。両社が保有する特許を相互に利用することで、技術開発を加速させる狙いだ。
この提携により、アウディとヒュンダイは燃料電池の生産効率と歩留まりの改善を図るとのこと。両社の提携は各国の省庁などの審査を経た後、正式にスタートする。
「燃料電池は電動駆動のもっともシステマチックな手法であり、排出ガスがない未来の自動車社会を構築する上で大きな資産になる」と語るのは、アウディの取締役員を務めるピーター・マーテンズ。
「我々のFCEV(燃料電池車)ロードマップに、ヒュンダイという強力な戦力を加えることになる。持続可能社会実現に向けた突破口を見つけるため、技術革新を促しながらコストも抑えるためには、(ヒュンダイと)協力することがもっとも賢い選択なのだ」
ヒュンダイの副社長を務めるチョン・ウィソンも「アウディとパートナーシップを結ぶことで、FCEVが可能にする未来を世界にデモンストレーションすることができるはずだ」とのコメントを発表している。
「また、今回の合意は消費者が水素をエネルギーとするクルマとともに生活してより持続可能な社会を目指すというヒュンダイが掲げる目標達成への象徴でもある」
一時は次世代エネルギー車の代表として扱われてきたFCEV。しかし、近年は電気自動車(EV)が隆盛を誇っており、モータースポーツ界でもABBフォーミュラE選手権が自動車メーカーから注目を集めているほか、今後、電動ラリークロスの世界選手権なども発足予定だ。
一方、FCEVについては先日、ACOフランス西部自動車クラブが発表したとおり、2024年からWEC世界耐久選手権に水素テクノロジーの導入予定が明かされるなど復活の兆しをみせている。