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【ブログ】24時間の闘いを物語る車体の汚れはそのままで/ル・マン現地ルポ第4回

2018年06月20日 20:41  AUTOSPORT web

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今年も伝統の耐久レースイベント『ル・マン24時間』の季節がやってきた。WEC開幕戦スパ・フランコルシャン6時間に引き続き、フランスのル・マンでもメカ、ハコ車&スポーツカーマニアの“ヘンタイ”カメラマン、鈴木紳平が現地から気になる情報をお届け。最終回となる第4回目はル・マンウイーク中の“レース以外”の見どころ(?)をいつもの感じでお伝えします。

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ル・マンに来てもうすぐ3週間、日々身体に貼り付けるロキソニンテープの裏面がLM-GTEプロクラスに復活した“ピンク・ピッグ”カラーに見えてきた今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

レース内容や結果に関しましては他のニュース記事で見て頂くとして、本ブログではフリー走行から決勝日までの雑感をご紹介したいと思います。

それではル・マンブログ4回目、張り切っていってみましょう!


まずは、冒頭のロキソニンテープからです。文字の色は異なりますが点線の具合、形がもう私には“ピンク・ピッグ”にしか見えません。

みなさまもロキソニンテープをご使用の際には思い出してみてください。


こちらは水曜日、フリー走行開始直前のピット出口です。走行開始を見守るVIPの中に元アウディのDr.ウルリッヒ(ウォルフガング・ウルリッヒ/2018年からACOスペシャルアドバイザーに就任)さんを発見です。とても流暢なフランス語でオフィシャルのみなさんとお話しされていました。

フランス語での会話でしたので私にはどんな内容か分かりませんでしたが、「そこだ。押し出してしまえ」と言っていないことは間違いないと思います。


話はいきなり決勝日に飛びます。グリッド整列前には1978年のル・マン24時間優勝車、『アルピーヌルノーA442B』のデモランが行われました。タミヤ模型のプラモデルになっているのを見たことがあります。


何か海外の他のレースではグリッドガールが廃止されているようですが、ル・マンでは健在です。左から二人目の方は2017年の“ミス・ル・マン”ですね。

昨年ポストカードにキスマークを貰いました。


おっと! 4度のル・マンウイナー、フランスの英雄アンリ・ペスカローロさん登場です。スタンドから「アンリ!」の声が飛びます。


一方こちらは1988年のル・マンウイナー、つい先日62歳の誕生日を迎えられた(当ブログでも紹介)ヤン・ラマースさん。サッカーワールドカップに合わせル・マン24時間ロゴ入りのサッカーボールをスタンドに蹴り入れます。


こちらはル・マン出場全180名のドライバーのなかで最高齢、63歳のトレーシー・クローンさんです。LMP2クラスに参戦しているユーラシア・モータースポーツの44号車リジェJS P217をドライブする彼は、走行前に入念にストレッチを行います。


ル・マンではドライバー、マシンが主役ですがオフィシャルの皆さんもまた主役です。選抜されたと思われるグリッドに整列するオフィシャル達、こちらにも観客からやんやの喝采を受けます。

ただ、ほぼ全員がフォードの帽子を被っているのが気になります。


こちらはピット出口のシグナルです。先日見たときは鉄製だった気がしますが、いつのまにかドライカーボン製に変わっていました。まったく目立ちませんがカッコイイです!


一方こちらはピットロード上に設置されるレールカメラ用の支柱に登り、スタート前にメンテナンスをされる方です。毎年思うことですが、あの高さはすごい……。


決勝レースが始まりました。予選でクラッシュしたLMP2クラスの47号車ダラーラP217も無事修復され出走です。が! フロントノーズのカラーリングが剥がれ、カーボン地が見えています。ですが僕には黒いパンティのパンチラにしか見えません。


今年の決勝レースはセーフティカーが結構な回数導入されました。陽炎のなか、集団で車両がやって来ます。当然のことながら脳内では『西部警察』のエンディングテーマが流れます。


こちらはLM-GTEプロクラスの首位争いです。優勝は92号車ポルシェ911 RSRでしたが、みなさまご存じのとおり、今年はポルシェのスポーツカー70周年を記念して“ピンク・ピッグ”と呼ばれるカラーリングにされています。もちろんそれに関するグッズも登場し、なかでもTシャツは大人気でした。


ファンエリアのポルシェブース前にはそんなピンク・ピッグのレプリカが展示され、お客さんたちが記念写真を撮ります。

この人達はピンク・ピッグのTシャツを着た人が豚さん役、その後ろの人達が豚さんを殺して食べようとしている人のようです。真ん中の首にナイフを突きつけられている豚さんが何か訴えますが、ドイツ語と思われ理解できませんでした。


コースに行きましょう。ル・マン24時間ではカメラマンが撮影禁止の場所にはガードレールの内側が赤く塗られています(通称レッドゾーン)。撮影禁止ということは我々カメラマンは本能的に赤いラインを見ると「退去しなければ」と考えるということです。


そうしたなかで毎年、ル・マンから帰宅する際に横浜駅のホームにあるレッドゾーンに出くわすのですが、おもわず一歩後ろへ下がってしまいます。


話変わって、今年のル・マンでは本ブログの親戚みたいなサイトを発見しました。ACOの職員が運営しているという『23H56 DU MANS』です。強烈な風刺と斜めからの視点でル・マン24時間を紹介するページです。と思ったらグランドスタンド裏の公衆トイレにステッカー発見です。次の日には撤去されていましたが、みなさん一回覗いてみてください。→23H56 DU MANS(Facebook)


ル・マン24時間中はいろいろなところで変なことが多発しますが、レース後のマクドナルドのトイレの洗面台にはリベットが捨てられていたりします。


またル・マンウイークになるとこんなクルマも登場します。こちらのミニバン、スーパーマーケットの駐車場で人気者でした。


ちゃんとリヤウイングも装着されています。子持ちウイングなのが泣かせます。


こちらは搬出作業中のトヨタピット前です。闘い終えた汚れた車体に月桂樹、たまりません!!


張り紙には「DO NOT TOUCH(触るな)」とあります。どうやらこの状態のまま永久保存されるようです。日本に凱旋帰国し見れる日を楽しみにしましょう!


最後はセクシーショットでル・マンからお別れです。それではみなさんごきげんよう、さようなら。

(Shimpei Suzuki)