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スイマーのファンが"いま欲しい"個性派雑貨を、元デザイナーが合同展開催

2018年06月20日 19:03  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

(左から)まここっと、みくろう Image by: FASHIONSNAP.COM
「スイマー(SWIMMER)」でデザイナーを務めていたみくろうとまここっとの2人が、合同展示会「SWEET CIRCUS」を表参道のギャラリー・ドゥー・ディマンシュ(galerie doux dimanche)でスタートした。ブランドが終了してから初となる本格的な独自企画のイベントとなり、会場にはスイマー時代からのファンが駆けつけ賑わいを見せている。

 スイマーは1987年に誕生。「ノスタルジックキューティ」をコンセプトに企画からデザイン、生産までをすべて運営会社の白鳳が行い、レトロなデザインをはじめ、パステルカラーやユニコーンといった"夢かわいい"テイストなど時代に合わせたアイテムを展開してきた。しかし近年の仕入れ単価の高騰に伴い、ものづくりや価格帯の維持が困難になったとして、2017年6月にスイマーと姉妹ブランド「チョコホリック(chocoholic)」の終了を発表。今年1月末に閉店したmozoワンダーシティ店をもって全店舗の営業を終了した。
 みくろうは約16年間、まここっとは20年近くスイマーのデザイナーを担当。同職には10~20人が在籍し、田中明秀代表によるディレクションのもと各々が好きなテイストの作品を制作できたという。大衆受けが難しい絵でも"可愛ければ採用"という社風で、まここっとは「スイマーが終了してそれぞれが違う環境に身を置いているが、みんなで『自由だったね』と話している。デザイナーとしてはありがたかった」と振り返る。
 ブランドの終了が社内に伝えられたのは、正式発表の半年前のこと。みくろうは「デザイナー側も原価を理解した上で企画やデザインに取り組んでいたが、ブランド終了前の数年はそれまで作れたものが作れなくなり、厳しいと思うこともあった」と当時を回顧する。しかしスイマーは個性的なデザインに加えて「子どもにも手の届く価格帯」も魅力の一つ。まここっとは「ブランド終了の発表は寝耳に水だったが、価格は崩せないので終了となるのは仕方なかったのかなと思う」と理解を示した。
 正式発表当時はすでに退職しステーショナリーの会社に転職していたみくろうは、ブランドの終了について予想以上の反響があったと振り返り、「転職先はスイマーのようなものづくりではなかったし、自分の作りたいものを作った方が多くの人に喜んでもらえるんじゃないか」という思いからフリーに転身。まここっともスイマーが存続していた頃からフリーで活動していたが、「広告などよりも雑貨が好きなんだと気付かされた」とし、自身のブランドを立ち上げた。
 みくろうのブランド「Twinkle Etoile」とまここっとのブランド「Ma cocotte」の合同展として企画した今回の展示では「SWEET CIRCUS」をテーマに、イラストやグッズ、ハンドメイド作品などが並び、コラボグッズも3種展開している。まここっとは「在庫のことも心配だが、たくさんの商品が並んでいるのが"雑貨屋"の魅力だと思う」とし、今回のために約60アイテムを製作したという。スイマーだけではなく「宇宙百貨」や「文化屋雑貨店」「大中」など同じ時代を築いてきた個性派雑貨店が事業を縮小している中で、みくろうは今回の展示について「面白いものがあまり売られていない状況を寂しく思っている方に喜んでもらいたいという思いを込めた。今回来てくださる皆様に明るい気持ちになってもらえたら」と呼びかけている。展示期間は6月24日まで。
 今後は期間限定ショップなどのイベントを中心に展開を予定。みくろうは「スイマーをそのまま引き継ぐのではなく、これまでファンでいてくださった人にとって"いま欲しいもの"を作っていきたい」と話している。
■Sweet circus展日時:2018年6月19日(火)~6月24日(日)場所:表参道 galerie doux dimanche住所:東京都神宮前3-5-6   Tel 03-3408-5120営業時間:12:00~19:20