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仏老舗シューズブランド「J.M.WESTON」初のプレゼンテーション

2018年06月20日 17:43  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

 フランスの老舗シューズブランド「ジェイエムウエストン(J.M.WESTON)」が6月19日、2019年春夏パリメンズファッションウィークの一環として、今年1月に就任したアーティスティックイメージ&カルチャーディレクター オリヴィエ・サイヤール(Olivier Saillard)による初のプレゼンテーションをグランパレで発表した。

 「Défilé pour 27 chaussures(=27足のデフィレ)」と題したプレゼンテーションでは、
オリヴィエ・サイヤール(Olivier Saillard)とマチルド・モニエ(Mathilde Monnier)によるを発表いたしました。
振付師とジェイエムウエストンを象徴する11のモデルに焦点を当てたものとなっています。1930年代に生まれたハントや1960年代にパリの若者達のシンボルとなったモカシン、フランス衛兵隊のブーツを模したモデルが、20足余りのカットレザーとなり、オリヴィエ・サイヤールが築き上げる未来への新たな一歩として列をなします。
「デフィレ(défilé)」というフランス語は、ファッションショーや軍事パレードを表す際に使われます。デフィレとは、集団形成による動きや記念式典、または単純に最新ファッションの発表などを意味します。マチルド・モニエは白いシャツにメンズのジャンパー、黒のストッキングを身にまとい、足元はシューズを履かないまま登場します。彼女の周りには、影のように暗い色のシューズが多数配置され、その後の展開を暗示しています。ローファーやサイドゴアブーツ、オックスフォードなど、数多くのシューズを次々に履き替えながら、マチルドはデフィレのルールに従いゆっくりと一直線上を歩き始めます。ステージにいるのはマチルドだけに見えても、彼女は集団で前に進んでいるのです。ステージの上を歩むマチルドには、ジェイエムウエストンのシューズを象徴するインクカラーのレザーの足跡が付いて回ります。カーボン複写された足跡はフロアに散乱し、彼女の動きを詩情豊かに表現します。マチルドが動き出すと、フロアのシューズの歩みも静かに始まります。時に彼女の先を越したり、別の方向に脱線したり。謎めいた歩みの無言の演者たちは彼女のステップにぴったりとくっついて足の上下に滑り込み、おかしな歩き方を強いたり、あるいは普通に歩かせたりします。体を曲げ、手足を伸ばし、またあるときは直立して、マチルド・モニエはシューズを履いた体に起こる気分の変化に影響されてわずかに道のりを変えながら孤独な歩みを続けます。長靴を履いた足でわき目もふらず真っすぐに歩く兵士のように、あるいはピンヒールを履いて爪先立つモデルのように、頭を高く上げながらひたすら歩き続ける彼女。やがてマチルドが「風のソール」を備えたフラットシューズを履くと、デフィレに新しくジャンプのステップが加わります。そして迎える、時というコスチュームのめくるめく変化の停止。それは、静的であると同時に躍動感を秘め、孤独でありながら人々と体験を共有している行進の記憶のようにそこに留まるのです。