スペインのバルセロナ・カタルーニャサーキットで行われたMotoGP第7戦カタルーニャGP決勝レースで、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ・チーム)が優勝を飾った。前戦イタリアGPで勝利し復活ののろしを上げたロレンソ。今大会でも取り戻した速さを見せた。
イタリアGPで約1年半ぶりのウイナーとなったロレンソは、カタルーニャGPでも好調だった。金曜に行われたフリー走行1回目、2回目では総合トップ。土曜の予選では1分38秒680をマークして2016年最終戦バレンシアGP以来、ドゥカティに移籍してから初となるポールポジションを獲得した。
ポールポジションからスタートしたロレンソは、スタートでマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)に先行され、アンドレア・イアンノーネ(チーム・スズキ・エクスター)にも交わされて3番手にポジションを落とす。
ロレンソは「スタートを失敗してしまい、マルケスに先行されてしまった」と、このスタートを振り返る。しかし一方で、自身の戦闘力を示すことができたとも考えているようだ。ホールショットを奪ってレースをリードし、そのままフィニッシュという勝ちパターンが多いロレンソだったが、今回は少し違った展開を見せた。
3番手にポジションを落としたロレンソは、1周目の10コーナーでイアンノーネがオーバーランを喫したすきを突いて2番手に浮上。さらに2周目1コーナーのブレーキングでマルケスの前に出たロレンソは切り返しのラインでマルケスをブロックし、レースリーダーに躍り出た。
「ポールポジションからホールショットを奪って勝つだけではなくて、オーバーテイクして勝つこともできるということをお見せできたと思う」
「マルケスに先行されたけれど、『レースは長いから落ち着いていかなければ』と自分に言い聞かせたんだ。マルケスを抜くのは難しくはなかったよ。僕はブレーキングに少し、余裕があったからね」
トップに立ったロレンソは、序盤に2番手のマルケスとともに何度もファステストラップを更新し、僅差で周回。最終的には、9周目にロレンソがマークした1分40秒021が新しいレイアウトとなったカタルーニャサーキットのコースレコードとなった。
ロレンソは中盤以降にじわじわとその差を広げ、11周目にはマルケスとの差を約1秒とすると、そのまま一度もトップを譲ることなく2連勝を果たした。
「とても競争力のあるパッケージがある。これまでのドゥカティのバイクのなかで最も競争力があると思うよ」
ロレンソのチームメイト、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)は対照的に、9周目の5コーナーで転倒。シーズン3度目のリタイアを喫している。とはいえ、ロレンソが語るところによると、ドゥカティのデスモセディチGPの速さは確かなようだ。
「ドビ(アンドレア・ドヴィツィオーゾ)と僕はこの週末、常に速かった。僕たちはどのサーキットでもデスモセディチGPがうまく機能する状況を活かさないとね。デスモセディチGPはタイヤを大きく消耗しない。これはかなり有利な点だ」
復活したロレンソはカタルーニャGPの優勝で、ポイントランキングで7番手に浮上した。トップを守るマルケスとの差は49ポイント。決して小さくはないポイント差だが、強さを取り戻したロレンソが、今後どのようにチャンピオンシップをかき回してくれるのか楽しみだ。