2018年06月18日 18:12 弁護士ドットコム
アイドルグループ「虹のコンキスタドール(虹コン)」元メンバーの女性(22)が、同グループの元プロデューサー・永田寛哲氏(ピクシブ社・前代表取締役)からセクハラ行為を受けたとして、慰謝料など約1210万円の損害賠償を求めた訴訟の第2回口頭弁論が6月18日、東京地裁であった。
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女性(22)は意見陳述で、「虹コンに所属していた約2年、永田さんからは親や兄に相談することも禁止され、永田さん以外に相談できる人がいないように追い込まれて、永田さんに支配されていたような状態でした。逆らったらどんな仕打ちを受けるか分からず、とても怖くて、言われたことにNOを言うことなどあり得ませんでした」などと訴えた。
口頭弁論後、女性と代理人弁護士らが東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。
代理人の望月宣武弁護士によると、女性は2014年7月から16年9月まで、イラストSNS「pixiv」を運営するピクシブ社が始めたアイドルグループ「虹コン」(現在の運営はディアステージ社に移行)に所属。虹コンのプロデューサーが、ピクシブ社の前代表取締役である永田氏だった。
女性は2015年、永田氏の全身のマッサージをするよう要求されたり、一人で行こうと思っていた京都旅行で永田氏から付き添いを申し出られ、相部屋を強要されたりした。また、すでにグループを辞めていた2018年1月、ライブ出演を求められ、上京した際に永田氏の自宅に宿泊するよう言われた。その際、使うように言われたバスルームの脱衣場に、カメラが設置されていたという。
女性は「永田さんの呪縛から逃れるためには、勇気を出して声をあげるしかない」と弁護士に相談。永田氏などに内容証明郵便を送付し、交渉を行っていた2018年3月、永田氏から損害賠償請求訴訟を提起された。女性は同年4月26日に、永田氏やピクシブ社、現在の運営元であるディアステージなどに対し、慰謝料など約1210万円を求めて提訴した。
永田氏は6月6日、「現在の状況では、代表取締役としての責任を果たすことが困難」(ピクシブ社サイトより)だとして、同社の代表取締役を辞任している。
訴訟前の交渉に携わった河西邦剛弁護士は「交渉中に訴訟提起され、声をあげた女性に対する口封じを意図しているように感じられた」と批判。
「(アイドル業界では)プロデューサーが、誰を昇格するかなど包括的な人事権を持っている。明確な基準はないため、『お気に入り』が人事に入って行きやすい。家族など他の誰にも相談するなといったことを言われるケースも多い」とアイドル業界特有の構造的な問題を指摘した。
今回の訴訟について、ピクシブ社とディアステージ社に問い合わせをしているが、返答はない(6月18日17時30分現在)。なおディアステージ社は2018年5月30日、HP上で「当該訴訟が終結するまで取材等を通じたコメントを発表することは差し控えさせていただいております」とコメントを発表している。
(弁護士ドットコムニュース)