6月16~17日に行われた第86回ル・マン24時間耐久レースに計4台のフォードGTを送り込んだフォード陣営は、2016年以来となるクラス優勝はならなかったものの、ジョーイ・ハンド/ディルク・ミューラー/セバスチャン・ブルデー組68号車がクラス3位表彰台を獲得。3年連続のポディウムフィニッシュを達成した。
2016年に新型GTEマシンであるフォードGTをWEC世界耐久選手権/ル・マン24時間に送り込んだフォード。ル・マン復帰初年度の16年にクラス優勝を飾ると、翌2017年はアストンマーチン、コルベット・レーシングGMとスプリント戦を繰り広げクラス2位表彰台を獲得している。
2016年以来のクラス優勝に挑んだ2018年は、レース序盤に92号車ポルシェ911 RSRを先頭とする優勝争いに68号車フォードが絡んでいたが、スタートから3時間30分が経過したころに導入されたセーフティカーが勝敗を分けてしまう。
セーフティカーが導入される直前にルーティンのピットワークを済ませていた92号車ポルシェに対し、68号車フォードは翌周にピットを予定。セーフティカー導入でレーシングスピードで走行できなくなったため、1周近いマージンを築かれてしまった。
このセーフティカー終了後、68号車フォードは前を走る92号車、91号車のポルシェ勢を追ったものの、先に築かれたマージンを削り切ることはできず。クラス優勝した92号車ポルシェとは1周差、クラス2位の91号車ポルシェとは26.729秒差のクラス3位に終わった。
残る3台はステファン・ミュッケ/オリビエ・プラ/ビリー・ジョンソン組66号車フォードがクラス6位、アンディ・プリオール/ハリー・ティンクネル/トニー・カナーン組67号車フォードがクラス12位、ライアン・ブリスコー/リチャード・ウエストブルック/スコット・ディクソン組69号車がクラス14位だった。
クラス優勝は逃したものの、フォード・パフォーマンス・モータースポーツのグローバルディレクター、マーク・ラッシュブルックは「どのレースも勝つために戦っているが、この世界でもっともタフなスポーツカーレースでフォード・チップ・ガナッシ・レーシングがみせた活躍は素晴らしいものだった」と述べた。
「チームは最後まで善戦した。そのおかげで3位表彰台を獲得し、3年連続のポディウムフィニッシュを成し遂げた」
「残念だったのはGTEプロクラスの大半の車両が序盤のセーフティカーによって勝負権を失ってしまったことだ。それでもチームの働きを誇りに思う」
■2016年以来ル・マン参戦のブルデー「使えるカードはすべて使った上での結果」
2017年のインディ500予選で大クラッシュし、同年のル・マン欠場を余儀なくされていたブルデーは「ル・マンに戻ってくることができて最高だ」とコメントした。
「厳しいレースだったけど、チーム一丸となって全力を振り絞った。フォード・チップ・ガナッシ・レーシングのスタッフ全員を誇りに思うよ」
「全力を尽くしてクラス3位を手にした。使えるカードはすべて使った上での結果だ。この結果を胸に第3戦に向かっていく」
ブルデーとともにクラス3位を手にしたミューラーは「ル・マンで表彰台に上がることは勝利にほぼ等しい結果だと思う。それだけ特別でスペシャルなイベントだからね」と喜びを語っている。
「結果がクラス3位なのはわかっているけど、それでも笑みがこぼれるよ。68号車フォードGTは2016年にクラス優勝し、今年は3位表彰台を手にした。これは大きな意味を持つ」
「2019年、さらにポジションをふたつ上げるべくル・マンに戻ってくることを楽しみにしているよ」