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トヨタ、ついに悲願のル・マン24時間初優勝! 中嶋一貴が日本車+日本人での初制覇を達成

2018年06月17日 22:11  AUTOSPORT web

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優勝を喜ぶ8号車トヨタの中嶋一貴、ブエミ、アロンソ
第86回ル・マン24時間耐久レースは6月17日、フィニッシュを迎え、TOYOTA GAZOO Racingのセバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ組8号車トヨタTS050ハイブリッドが388周を走りきりトップチェッカー。トヨタが日本メーカーとして1991年のマツダ以来となる優勝を飾った。日本車に日本人ドライバーが乗り込んでの優勝は史上初となる。

 1985年にトムスの手によりトヨタ童夢85Cがル・マンに初挑戦し、86年からはトヨタ・チーム・トムスとして参戦。その後1994年までの活動、1998~99年のTS020での活動、そして2012年からはハイブリッド搭載車で続けられてきたトヨタのル・マン24時間挑戦。これまで1994年、99年、そして残り3分で優勝を逃す悲劇となった2016年と、2位は複数回獲得しているが、その“未勝利”の歴史についに終止符が打たれた。

 今季、ハイブリッドを搭載したメーカーワークスのマシンがトヨタのみとなったLMP1クラスで、戦力差はライバルに対し余裕がある状態ではあったが、24時間の戦いで何が起こるか分からないのがル・マン。特に2016年の経験、優位にレースを進めていながらことごとくトラブルに見舞われた2017年の経験があるチームは、スタートから他のLMP1車両を大きく引き離しながら、無用のトラブルを避けるべく走行を続けた。

 途中、スタートから6時間ほどで8号車を駆る一貴と、7号車を駆る小林可夢偉が接近したり、7号車が先行するシーンもあったものの、朝にふたたびトップを奪い返した8号車が先行。終盤の11時43分には、7号車をドライブしていたホセ-マリア・ロペスがダンロップコーナーでスピンを喫するなど、2台の差は広がっていった。

 8号車トヨタは、残り2時間22分というところで最後のドライバー交代を実施。アロンソから一貴に交代する。一方、7号車はロペスから可夢偉に交代し、チェッカーに向け周回を重ねていった。そして現地時間15時、2台はタンデムを組み、デイトナフィニッシュでチェッカー。メインストレートでアロンソとブエミを乗せた一貴は、恒例のウイニングランを終えると、週末ピリピリとしたムードを漂わせていたドライバークルーたちからようやく満面の笑顔が。

 優勝はブエミ/中嶋一貴/アロンソ組8号車で、12年からの挑戦以来プロジェクトを支え続けた一貴が、嬉しい初勝利をポール・トゥ・ウインで飾ることに。また、世界三大レース制覇を目指すアロンソは、これでF1モナコグランプリとル・マン24時間制覇を成し遂げた。

 2位はマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ロペス組7号車トヨタで、残り1時間40分というところで、インラップにピットに入り切れず一時スローダウンし、ひやりとさせたほか、燃料使用量や使用可能周回で2回の10秒ペナルティを受けるなどがあったが、TOYOTA GAZOO Racingは初勝利をワン・ツーフィニッシュで飾ることに。11周差の3位には、レベリオン・レーシングのトーマス・ローラン/マティアス・ベッシェ/グスタポ・メネゼス組3号車レベリオンR13が入った。4位には1号車レベリオンR13が入り、その他のLMP1勢はすべてトラブルに見舞われた。

 激戦が展開されたLM-GTEプロクラスは、ミハエル・クリステンセン/ケビン・エストーレ/ローレンス・ファントール組92号車ポルシェ911 RSRが優勝。今季、70周年記念として1971年のポルシェ917/20に施された“ピンク・ピッグ”のカラーリングが、47年の刻を越えて優勝にたどり着いた。

 終盤まで同じタイミングでピットインし、激しいバトルが展開された2位争いは、往年のロスマンズカラーをまとったリヒャルド・リエツ/ジャンマリア・ブルーニ/フレデリック・マコウィッキ組91号車ポルシェが入り、ポルシェが70周年をワン・ツーで飾った。3位はポルシェ勢と激闘を展開したフォード・チップガナッシ・USAのジョーイ・ハンド/ディルク・ミューラー/セバスチャン・ブルデー組68号車フォードGTが入った。

 LMP2クラスは、序盤から首位を守りきったロマン・ルシノフ/アンドレア・ピッツィトーラ/ジャン-エリック・ベルニュ組G-ドライブ・レーシングの26号車オレカが優勝。2位は36号車アルピーヌA470、3位はグラフ-SO24の39号車オレカとなった。

 LM-GTEアマクラスは、デンプシー・プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSRが優勝し、ポルシェ70周年に華を添えることに。澤圭太が乗り込んだクリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリはクラス6位でフィニッシュ。石川資章がフィニッシュを担当したMRレーシングの70号車フェラーリはクラス10位でフィニッシュした。