第86回ル・マン24時間耐久レースは6月17日、決勝レーススタートから20時間が経過した。セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ組8号車トヨタTS050ハイブリッドが総合首位をキープしており、悲願の初優勝まであとわずかとなっている。
サルト・サーキットはすっかり陽が昇り、気温も上昇。キャンプエリアでつかの間の睡眠をとったファンたちも、少しずつスタンドに戻り始めた。レースは終盤となり10台がリタイアしているものの、50台がまだ走行を続けている。
そんななか、トップを快走している8号車トヨタTS050ハイブリッドは、2番手につける7号車トヨタTS050ハイブリッドに対して1分以上のギャップを築いており、さらに7号車トヨタと3番手の1号車レベリオンR13とのギャップは11周。ほぼ盤石と言っていい状態だ。
LMP2クラスもスタートから首位を走るG-ドライブ・レーシングの26号車オレカがリードを保っており、2番手にはシグナテック・アルピーヌの36号車アルピーヌA470が続く。ただ、表彰台を争っていたパニス・バルテズ・コンペティションの23号車はストップ。LMP2では、ポール・ディ・レスタがドライブしていたユナイテッド・オートスポーツの22号車リジェがポルシェカーブで激しくクラッシュ。10時01分からセーフティカーが導入された。
一方、LM-GTEプロクラスはポルシェGTチーム対フォード・チップガナッシ勢の激しい戦いが展開されている。首位は“ピンク・ピッグ”のカラーリングをまとった92号車ポルシェ911 RSRで変わらないものの、91号車ポルシェ、67号車フォードGT、68号車フォードGTという3台による熾烈な2番手争いが展開されている。
ちょうど残り4時間が近づこうかという頃、フレデリック・マコウィッキがドライブしていた91号車がわずかにコースアウトを喫し、アンディ・プリオールがドライブしていた67号車フォードが先行。マコウィッキの背後にはセバスチャン・ブルデー駆る68号車がピタリとつけており、表彰台圏内争いは今後も激しくなりそうだ。
レースは残り4時間。膠着状態ではあるが、まだひとつのトラブルで大きなドラマが起きる可能性もある。