FIAのレースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは、グランプリレース終了時のチェッカーフラッグのプロセスを自動化できないか検討すると述べている。
それは、フラッグを渡されたスーパーモデルのウィニー・ハーロウが1周早くチェッカーを振るよう指示されたために、カナダGPがきまりの悪い終わり方をしたことを受けてのことだ。結果としてレース距離は2周短縮されることになった。
F1のモータースポーツ担当ディレクターを務めるロス・ブラウンは、その後ハーロウに謝罪し、彼女に責任はないと主張した。
「ウィニーはただ与えられた指示に従っただけだ。彼女はチェッカーフラッグを振るように言われたが、それは70周中69周が終わったときのことだった」とブラウンは述べた。
以前にも2014年の中国GPで、オフィシャルがチェッカーフラッグを早く出し過ぎるという同様のアクシデントが起きている。
早過ぎるチェッカーフラッグのせいで、まだマシンがフルスピードでレースをしているなか、人々がコースに入ってくる危険性があった。
「僕はただ心配だったんだ。人々がコースに入ってきて旗を振ったり騒いだりしないよう、最終ラップの時に彼らに伝えたんだ。なぜなら僕たちはまだフルスピードで走ってたんだからね」と優勝したセバスチャン・ベッテルはレース後に語った。
「マーシャルの何人かはすでに浮かれ騒いでいたよ。騒ぐのはちょっと早過ぎたようだね!」
現在ホワイティングは、チェッカーフラッグが早く振られる事態がまた起きないようにするための方策を検討している。
「レース終了の合図について、より良いやり方を検討する必要があるかもしれない。チェッカーフラッグは伝統的なものだが、先日我々が目にしたように、今後もミスが起きる可能性がある」とホワイティングは自身の考えを述べた。
彼は取り組みのひとつとして、適切なタイミングで電子スクリーンにチェッカーフラッグを映し出すことを提案した。
「しかし自動的に行うようにするには、いつ画面を出し、起動するかを正確に考慮しなければならない」
「ドライバーがライトパネル上のチェッカーフラッグのみを見るような状況を作る必要がある。彼らが見なければレースが終わらなくなってしまう」
「非常に簡単というわけではない。多少は考えることが必要だ。10年おきにしか起こらない状況を是正するために長い時間をかける必要があるかどうかは、議論の余地がある」
「だが、私たちはこのことについて目を向ける必要があるのだ」
だが、ホワイティングは、モントリオールでのイベントを考慮しても、有名人にフラッグを振らせることを良しとする現在のポリシーにはなんの問題もないとしている。
「有名人が責められるべきではないし、有名人を使うことについて考慮する必要があるとは考えていない。だが、他の点については検討する必要があるかもしれない」
「例えばスタート時に有名人を招き入れることがあるが、彼らは友人を連れてくることが多いので、混み合ってしまうんだ」