F1ベルギーGPの開催地であるスパ・フランコルシャンは、今シーズン8月のレースをもって現在の契約が期限を迎えるが、これをさらに3年間延長することで合意した。
ベルギーGPはF1の商業権保有者に支払う運営費用による損失により、将来の開催が疑問視されていた。同様の問題はイギリスGPでも発生しており、シルバーストンはリバティ・メディアに中途破棄の条項を使用したため、2019年以降の開催が危ぶまれている。
しかしベルギーのビシネス紙であるL'Echoは、スパの件については地元ワロンの自治体が、コストと収益の差を補填すべく介入したと報じている。これにより、スパは契約を3年間更新することが可能となり、少なくとも2021年まではカレンダーに残ることとなった。
ワロン地域の副知事であり、経済大臣でもあるピエール・イヴェ・ジェレは「良い契約を結ぶことができた」と語っている。また、損失は毎年イベントに足を運ぶファンからの収益以上に大きかったと、彼は説明する。
「ワロンは2017年に2050万ユーロ (約26億円)の収益を得ており、2016年からは21%増となった。ワロン地域を世界的にアピールできるイベントを、確実に維持することができる」
スパはストフェル・バンドーンの母国GPではあるものの、隣国オランダ出身のマックス・フェルスタッペンが高い人気を誇っているため、こちらからの観客が急増している。
今シーズンのチケットはすでに20万枚が売れており、決勝日は7万5千人が訪れる予定であるとL'Echo紙は報じている。スパの契約延長は熱心なファンだけでなく、ドライバーや各チームも歓迎されることになるだろう。
スパでは1925年に初のグランプリが開催されており、FIA世界選手権としては初年度となった1950年のカレンダーの一部であった。当初は9マイル(約14.5km)にわたって曲がりくねったアルデンヌの森の中を走るというものだったが、1978年に安全上の理由から大改修が行なわれている。
19のコーナーを有する7.004kmのサーキットは、現在F1カレンダーのなかで最長の距離を誇る。このコースにはラ・ソース、オー・ルージュ、レ・コーム、プーオン、スタブロ、ブランシモンといった伝説的なコーナーが今でも存在する。
多くのファンにとっては、スパ・フランコルシャンはモナコと並んでF1には欠かせない開催地だ。新たな契約により、少なくとも3年間はベルギーGP消滅の心配をする必要がなくなった。